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｢え。ちょっと、翔くん!?｣
慌てて彼の背中に着いていく。
翔は薄暗い屋敷の中を迷うことなく、すたすたと足早にどこかに向かっている。
智は見失わないよう追いかけるのがやっとだった。
というのも初めて入ったこの屋敷に何処に何があるのか、構造など知らないわけで。
足下が見えない分注意しつつ、それでも段差に転びそうになる。
一方の翔はまるで馴染みのある建物にいるかのように障害物を避け、一目散に何処かを目指している。
廊下を進み、先程上ってきた階段を降りて、玄関に戻る。
玄関から向かって左の廊下を抜けて、突き当たりを右に行くと下りの階段が現れた。
地下に通じるようだ。
どうしてここに階段があると知ってるんだ、と突っ込む隙もないまま翔の姿は地下へ消えていった。
一足遅れた智も階段を降りれば、進むにつれて更に闇が深くなった。
下ったその先には姿を現した古い扉は人が通った跡がある。
肝試しにも動じない智がごくりと息を飲む。
入るのを戸惑われるが翔はここにいるに違いない。
そろりと足を前に進める。
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中は首を動かさなくても全体が見えるほどの広さの部屋だった。
天井から吊るされた裸電球がぼんやりとその周りだけを照らしていた。
目を凝らしてみれば、部屋の真ん中にいた翔の背中が視界に入る。
彼越しに小さめのベッドが置かれているのが分かった。
よく見るとベッドの上のシーツはぐしゃぐしゃになっていた。
翔はそのシーツをぎゅっと握りしめている。
まるで大切にしていたおもちゃを捨てられてしまった子供のような、怒りや悲しみが見て取れた。
初めて見る彼の余裕のない表情に智は一言も発することが出来ない。
この空間には二人しかいないのに。
普段なら遠慮することなく気軽に話せるのに。
何と声をかければいいのだろう。
逡巡していた智を現実に引き戻したのは静寂を打ち破る大きな音だった。
｢っ！｣
腰を屈めた翔が拳を振りかぶってベッドに叩きつけていた。
何度も、何度も。
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結空(プロフ) - れにゃ♪さん» 山コンビのほんわかした空気はまるでありませんし(汗)、これからもっと暗くなる予定です(^-^; コメントありがとうございます♪更新頑張ります(^_^) (2015年5月28日 14時) (
レス) id: 4813f7bda8 (このIDを非表示/違反報告)
れにゃ♪ - 翔くん、どうしたのでしょう(・◇・)？
先が気になりますねぇ〜(≧∇≦)
楽しみにして待っています!
頑張ってください＼(^ー^)／
(2015年5月27日 20時) (携帯から) (レス) id: 3190274a8b (このIDを非表示/違反報告)
結空(プロフ) - れにゃ♪さん» はじめからお読みいただきありがとうございます(*^^*)徐々にラストに向かっております！最後までお楽しみください(^_^) (2015年5月24日 20時) (レス) id: 4813f7bda8 (このIDを非表示/違反報告)
れにゃ♪ - 一番最初から、読ませていただきました。
これからどうなっていくんでしょうか(・◇・)？
続きがすごく気になります！
楽しみに待っています!
頑張ってください!! (2015年5月23日 23時) (携帯から) (レス) id: 3190274a8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結空 | 作成日時：2015年5月17日 21時
