25 ページ25
･
父の話では玲子はそこに偶然居合わせたことになっている。
男とグルだったことは隠し通すつもりらしい。
本当に綺麗な顔をしてちゃっかりしてるな。
智にとって玲子が誘拐犯だったなど今となってはどうでも良かった。
翔がいなくなってしまったこと。
そちらの方が余程重要だった。
玲子は『魂狩り=別の誰か』がいたと証言して、翔が当人であることも、男を消したことも隠すようだ。
その方が有利に進むと考えたのだろう。
翔が魂狩りだと広まってしまえば彼は指名手配されてしまう。
智は玲子の狂言に乗ることにした。
｢鬼のアジトを襲撃した犯人は魂狩りで、翔は巻き込まれたのか。魂狩りはどんな奴だった？｣
尋ねられて焦った。
具体的に嘘が思い浮かばない。
こういう時、翔やカズは口がよく回るのだけれども。
あ。とか、え。とか。声にならない音が出る。
教科書通りの狼狽え方だ。
やばい。怪しまれてしまう。
｢王様。智様は気絶されてましたから、魂狩りの姿は見てないですわ。私が見るに魂狩りはがたいのいい大柄の男でした｣
痺れを切らした玲子が冷静に助け船を出してくれた。
それを聞いた父はふむ、と納得したように一度息をついている。
｢ありがとう、参考にするよ。智、お前はしばらく休んでおきなさい｣
ぱたり。扉が閉まって部屋に静寂が訪れて、ほっと一安心した。
けれども、何故だろう。
｢あの、まだ用があるんですか……？｣
今だ居残る彼女に声をかければ、くるくると自分の髪をいじりながら玲子は不機嫌そうにふいっと顔をそらした。
｢…………｣
｢あのう……？｣
｢…………｣
｢玲子さん？｣
｢もう！もうもうっ!!なんなのよっ！｣
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 121人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結空(プロフ) - れにゃ♪さん» 山コンビのほんわかした空気はまるでありませんし(汗)、これからもっと暗くなる予定です(^-^; コメントありがとうございます♪更新頑張ります(^_^) (2015年5月28日 14時) (
レス) id: 4813f7bda8 (このIDを非表示/違反報告)
れにゃ♪ - 翔くん、どうしたのでしょう(・◇・)？
先が気になりますねぇ〜(≧∇≦)
楽しみにして待っています!
頑張ってください＼(^ー^)／
(2015年5月27日 20時) (携帯から) (レス) id: 3190274a8b (このIDを非表示/違反報告)
結空(プロフ) - れにゃ♪さん» はじめからお読みいただきありがとうございます(*^^*)徐々にラストに向かっております！最後までお楽しみください(^_^) (2015年5月24日 20時) (レス) id: 4813f7bda8 (このIDを非表示/違反報告)
れにゃ♪ - 一番最初から、読ませていただきました。
これからどうなっていくんでしょうか(・◇・)？
続きがすごく気になります！
楽しみに待っています!
頑張ってください!! (2015年5月23日 23時) (携帯から) (レス) id: 3190274a8b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：結空 | 作成日時：2015年5月17日 21時
