☆＿7 ページ7
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「うわ〜〜綺麗だ〜！！！」
「うーん日が暮れてそこまでハッキリ見えへんようになってるなあ」
「でも月の光と星の光が反射していい感じだよ」
電車をおりてすぐの所にあった海につくなり、履いていたヒールのサンダルを脱ぎ散らかして砂浜を裸足で歩き回る私を見てセンラは目を細めた。
また子供扱いでもしているのだろうか。私は立派な大人なのに。
足の指の隙間からサラサラと零れ落ちていく砂が心地よくて何度も何度も砂を持ち上げてはその下に山を作って遊んだ。
「そういえば今日って七夕なんだよね」
「そうやね」
「センラのお願い事は何？」
靴を持ち上げて砂の上でくるくると回る私と、その様子を大きな流木の上に座って眺めるセンラ。
娘と父みたいな図におかしさを覚えるがこれが私達らしくもあって居心地が良い。
「実質今日叶ったみたいなもんやしなあ」
「ええなに〜？彼女が出来ますように、とか？」
「…………大好きな人に、もう一度会えますように」
色で例えるなら、秋に落ちる落ち葉の色に夜空の青色を加えて混ぜたみたいな、そんな色が言葉になって耳に届く。
センラの目は、まっすぐに私を見据えていた。
その言葉の真意と視線の裏側が読めなくて、掬ったままの砂が手のひらからこぼれ落ちていくのを肌で感じながらセンラから目を離せずにいた。
「…………まだ、思い出せへん？」
悲しく笑うセンラの表情が、その顔をさせてしまっているのであろう私が、センラは何を言っているのか、全部が何一つ分からなかった。
「なあA。俺に、触れてみて？」
「え…………」
やっと絞り出すことが出来た声はひどく嗄れていた。
センラの言う通りに恐る恐る伸ばした震える手のひらがセンラの手に重なる瞬間。
──────その、刹那
「なん、で…………」
「触れへんやろ？」
私の指先はセンラの手を通り抜けて空を掠めた。
「なんで…………なんでなんでなんで…………なんでっ、」
何回何回センラの手に触れようとしても、その綺麗な長い指先に触れることは出来なくて、私の手は虚しく空を掻くだけで、センラの悲しそうな表情は変わる様子がなくて。
そんな表情をさせたいわけじゃないのに。
センラは、センラは何を言っているの。
その真意を、隠していることを私にも教えてよ。
「ねえ、」
どうして。
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ちょこ - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (2020年1月13日 22時) (
レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
ね む(プロフ) - ふと思い出してまた読みに帰ってきました朝から号泣ですありがとうございます本当に本当にりどうさんと居たら一番好きな小説が決められなくなるよもう全部大好き、朝からちょっぴり切ないけど幸せな気分です (2019年10月10日 7時) (レス) id: 90904ccaf0 (このIDを非表示/違反報告)
こと - めっちゃ泣きました！！ありがとうございます！とてもいいはなしでした！ (2019年8月9日 2時) (レス) id: 7dcbe0da66 (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん(プロフ) - 涙腺が崩壊しております。こんなに感動するお話は、初めてです。これからも頑張ってください！ (2019年8月7日 11時) (レス) id: 472af6cc69 (このIDを非表示/違反報告)
Kizuha(プロフ) - 自分の不注意でネタバレすみませんでした…コメントは削除しました。作者様、Aさん、ご迷惑おかけしました… (2019年7月20日 8時) (レス) id: f4d4759676 (このIDを非表示/違反報告)
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