☆＿4 ページ4
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「まずはここやね」
「うわわ、パンケーキ屋さん…！？」
「そうなんよ〜ここずっと気になってたんやけどね、ほら、男一人で入るん気まずくて」
照れたように笑ったセンラが無性に可愛く思えて頭をぐしゃぐしゃとしたくなる。
可愛い店内の装飾と可愛い女の子が溢れたこの空間を見て、そりゃあ男ではいるのは無理があるな、なんてひとりごちる。
────でも
「今日は、私がいるからね」
「彼女持ちってやっぱりええな」
「都合良いように使われてる気しかしない〜！？」
声を出して笑い合っていると私たちの順番が来たらしく、可愛いウェイトレスの制服を着た店員さんが案内に来てくれた。
ポンポンポンと弾む会話が楽しくて、どう見てもセンラにはモテる要素しかないのになあ、と不思議に思う。
その疑問をこのお店に来るまでにぶつけてみたけれど、“彼女にそんなこと言うてもらえるの嬉しいなあ”と言われただけで、なんだか濁されたように感じた。
「このお店はいちごのパンケーキが有名なんやで」
「えっそうなの？うわあおいしそ……あっでも私ぶどう食べたいかも……」
「……んふ、ぶどう好きなんやねえ」
「私フルーツの中で1番ぶどうが好きかもしれない」
そのまま食べられそうなくらいに見た目が美味しく写されたメニュー表を広げて吟味する。
やっぱり惹かれるのはぶどうのパンケーキかもしれない……上に乗ったぶどう食べたい……
“ぶどうのパンケーキって珍しくない？”
そう、言おうとして焦点をメニューじゃなくセンラの目に合わせると
「なんで…泣いてるの……？」
「気にせんでええよ。Aはいつも通り過ごしとってくれればええねん」
「せん、ら……？」
──────泣いていた。
もし、流れ星を体内で生成することが出来るのなら流れ落ちてくるのは涙腺からなんだろうな、なんて頭のおかしい考えが浮かぶくらい、センラの涙は綺麗なんて言葉で形容しきれないほどにきれいだった。
瞳の中は青で染まっている。だけれど口角は上がっていた。
泣き笑いの表情だ。センラには笑顔でだけ、いてほしい。
「なか、ないで」
泣いてると死ぬのかと言いたくなるほどに私はセンラの涙を必死で拭った。
何回も何回も。
センラはそれを、拒まなかった。
「……ごめんなあ、雰囲気ぶち壊しにしてもうて」
「いいの、泣き止んだなら一緒にパンケーキ食べよ？」
「そうやね」
口に運んだ物に味は感じられなかった。
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ちょこ - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (2020年1月13日 22時) (
レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
ね む(プロフ) - ふと思い出してまた読みに帰ってきました朝から号泣ですありがとうございます本当に本当にりどうさんと居たら一番好きな小説が決められなくなるよもう全部大好き、朝からちょっぴり切ないけど幸せな気分です (2019年10月10日 7時) (レス) id: 90904ccaf0 (このIDを非表示/違反報告)
こと - めっちゃ泣きました！！ありがとうございます！とてもいいはなしでした！ (2019年8月9日 2時) (レス) id: 7dcbe0da66 (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん(プロフ) - 涙腺が崩壊しております。こんなに感動するお話は、初めてです。これからも頑張ってください！ (2019年8月7日 11時) (レス) id: 472af6cc69 (このIDを非表示/違反報告)
Kizuha(プロフ) - 自分の不注意でネタバレすみませんでした…コメントは削除しました。作者様、Aさん、ご迷惑おかけしました… (2019年7月20日 8時) (レス) id: f4d4759676 (このIDを非表示/違反報告)
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