ブラックな宮田はお好みですか？

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〈藤ヶ谷くんとブラ宮先生〉


side【藤ヶ谷くん】


『ミーツ！』


無邪気に北山に抱きつく二階堂の顔が浮かび、チッ、と舌打ちをした。


それから、中庭のベンチに寝転がる。


「胸糞悪い」


そう吐き捨てた刹那、ぬっと現れ出た顔にギョッとした。


「随分と荒んでいるようですね」


「げっ、宮せん」


そう悪態を吐くと、即座に起き上がった。


隣に腰を下ろした宮田から距離を取り、それとなく立ち去ろうとして腰を浮かせる。


刹那、腕を掴まれた。


静止し、宮田に横目を向けた。


「どこに行くんです？」


腕を掴む手に、力が込められる。


視線を泳がせしばし逡巡した後、ベンチに大人しく尻をつけた。


「マジで勘弁して。俺、宮せんと関わりたくないんだって」


そう懇願すれど、取り合ってもらえないことは目に見えている。


『つべこべ言わずにさっさとして下さい』


忌まわしい記憶が蘇りかけ、かぶりを振った。


「まぁ、そう言わずに。去年は担任だったんですから、近況の方はどうかなぁ、と。これでも心配してるんですよ」


心配？どの口がいいやがる。


心配なぞ微塵もしてない。


自分の娯楽のためだろ？


この男の取ってつけたような笑みに、虫酸が走るような思いがした。



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