ブラックな宮田はお好みですか？

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〈二階堂くんとブラ宮先生〉


side【二階堂くん】


放課後ということもあってか、行き交う生徒のほとんどが、どこか浮き足立っている。


反して俺は、重い足取りで廊下を歩いていた。


目の前に迫ったプレートの文字を見て、「はぁー…」と深い溜め息を吐く。


『職員室』


これからワッターの小言を聞かされるのかと思うと、気分が滅入ってしまう。


ーガラガラ


「1年の二階堂でーす。横尾先生はいらっしゃいますかぁ？」


なんと気のない声だろうと思いつつも、室内を見渡す。


けれど、目的の人物の姿は見当たらない。


あれ？と首を傾げていると、宮田と目が合った。


「あっ、宮田」


「ちょっ、担任に向かってそれはないでしょ？せめて『先生』ぐらいつけて…」


宮田の話はそこそこにして、声を被せる。


「ねぇ、ワッター先生は？」


「なんと！横尾先生には、ちゃっかり『先生』とつけているじゃないですか！？」


「ねぇ、だからさ、ワッター先生は？」


まだなにか言いたげな宮田に、どこ？と畳みかける。


すると宮田は諦めたかのように、ひとつ息を吐いた。


「しばらく席を外したままですよ。部活の方にでも、顔を出しているのではないですか？」



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