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俺が宮田につき纏われるようになったのは、半年前のことだ。


足を1歩踏み出すと、コツ、と靴音が鳴った。


横目を向け、背後に意識を集中させる。


怪しい男が、電柱の影からこちらの様子を窺っていた。


いやさ、そんな挙動不審にされたら、嫌でも目につくんだけど…。


ここ数日、俺の周りをうろついている男。


気弱な性格なのか、危害をくわえる様子はないから放っておいたが、そろそろ疎ましい。


ガタイがいいわけでもないし、少しけしかけてみるか、と溜め息をついた。


そして、いきなり駆け出す。


ちらりと背後を確認し、男がついて来ていることを確認すると、交差点の手前で左折した。


それから横道に逸れ、細い路地に身を潜める。


男が路地の前を通り過ぎた瞬間、背後を取り、襟を思い切り掴んだ。


「ぐえっ」


男がつんのめり、なんとも不快な呻き声が上がった。


手を離すと、「あうっ」と男が尻もちをつく。


すかさず男の前にかがみ込み、凄みをきかせた。


「あんた、なにもの?なんのつもりで俺を付けまわしてんの?」


ぐいっと顔を近づけると、「ひぃっ」と悲鳴が上がる。



*→←藤のターン



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作者名:ニコたん | 作成日時:2017年2月28日 14時

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