恋のスパイス～かけて・ひいて～ (ページ42)

今日:7 hit、昨日:2 hit、合計:52,439 hit

＊ページ42

＊

『いいワインを貰ったんだ。良かったら一緒に飲まない？』

言われるままに、ミツは男の家までのこのこと足を運んでしまった。

『いいよね？』

その一言で、身体を許したらしい。

それをミツの口から聞かされた時、俺は手を引くよう説得した。

いくらなんでも軽過ぎる！

弄ばれて捨てられるだけだ！

第一、ホストじゃないか！

そう言ったさ。

けど、ミツは聞き入れようとしなかった。

「ホストなんて関係ない。彼言ってくれたんだ。俺が一番だって！俺を愛してるって！！」

完全に周りが見えていなかった。

案の定と言うべきか、しばらくしてミツは男に捨てられた。

詳しい経緯までは聞いていない。

けど……

『男との行為に興味があっただけなんだよね。遊びに決まってるだろ。なのに本気になっちゃうからさ～。俺そういうのマジムリ』

と、酷い言葉を浴びせられたと言う。

それを聞いた俺は激高した。

「ミツ、俺許せない！あの男ぶん殴ってくる！！」

「やめて、ニカ！勝手に勘違いして、舞い上がった俺がバカだったんだ！！」

「ミツ…」

「ニカ、もう俺、ホストなんて信用しない。だから」

そんな憐れんだ目で俺を見ないで…、とミツは泣き崩れた。

＊