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藤ヶ谷さんの撮影は月に2回行われ、俺は都合が合えばこうして足を運ぶ。


今日で何回目の撮影だろうか。


回を重ねるごとに、互いの密着具合というのは増しつつあった。


「北山さん、今日はちょっと攻めてみません?」


「攻める?」


「そうです。セクシーなショットも必要でしょ?」


例えば…、なんて言いながら、藤ヶ谷さんの手がシャツのボタンに伸びる。


「シャツの隙間からチラリと覗くお腹」


プチっと一番下のボタンが外された。


ーカシャッ


次いで、もう一つボタンが外される。


「ねっ?はだけてた方がそそるでしょ?」


シャツの隙間から手が差し伸べられ、顔に熱が集中するのを感じた。


カシャッ、とまたシャッター音が鳴る。


「ちょ、ちょっ!なに触ってんすか!」


ペシッと手をはたくと、藤ヶ谷さんは「えぇ〜」と不満そうな声を出した。


「セクシーならこのくらい普通でしょ?」


「藤ヶ谷さんの手つきがイヤらしいんすよ!」


「そんなこと言ったって……、ああ、もしかして北山さん…」


妙な間が開き、俺の耳に藤ヶ谷さんの唇が寄せられる。


「感じちゃいました?」


吐息交じりの揶揄は、俺の胸を熱くした。


くそっ!なんなんだよこの男。


人をおちょくるのも大概にしろよ!


こうなると闘争心に火が点く。


*→←北のターン



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作者名:ニコたん | 作成日時:2017年2月28日 14時

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