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北のターン ページ24





「ふっ、ふふ…、ふふふ」


プルプルと肩を震わす藤ヶ谷さんを、後ろから睨みつけた。


そして不快感も露わに、彼の肩をバシッと叩く。


「なに笑ってるんですか!」


「すみません。だって…」


そこで堪えきれなくなったのか、藤ヶ谷さんは「あははっ」と声を上げて笑った。


そして振り向き、藤ヶ谷さんは言う。


「北山さん、やっぱり逆ですって。身長からしても、抱きしめるのは俺の方でしょ?」


だから…、と俺の足元を指差す。


「台は片付けましょ。俺が後ろから抱きしめますから」


「おいっ、チビって言いたいのか!」


ムッとして反論すると、藤ヶ谷さんは再び肩を震わせる。


なんだよ、バカにしやがって!


俺はめり込んでるだけだっつーの!


そう声を大にして言いたいところだが、また笑われそうなのでやめた。


ふんっ、とそっぽを向き、台を下りる。


そして若干不服だが、彼の前に背を向けた状態で仁王立ちした。


フワリッ、と包み込まれる感覚。


「もう、またそうやって拗ねる。チビだなんて言ってませんよ。絶妙なサイズ感だと思います」


ムッとした瞬間、シャッターが切られる。


「俺は、好きですよ」


シャッター音とともに、吐息交じりの甘い囁きが聞こえた。


ゾクッと身体が震える。



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作者名:ニコたん | 作成日時:2017年2月28日 14時

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