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「ですよね。それ聞けて安心しました」


ほっとしたような声色に「ん」と頷いた。


「そういえば、自己紹介がまだでしたね。俺、藤ヶ谷です。○○って言います」


藤ヶ谷さん、と反芻すると、「はい」と笑顔を向けられる。


「好きに呼んでください」


「じゃあ、藤ヶ谷さん」


「あははっ、名前で呼んでくれるかなって期待してたのになぁ。流石に、いきなりは無理ですよね」


そう言われて、言葉に窮した。


「ああ、ごめんなさい。そんな困った顔しないで。冗談ですから。北山さんって真面目なんですね」


悪戯な笑みを向けられ、ムッとした。


「藤ヶ谷さんは意外と意地悪なんですね」


「あっ、そう返してきたか」


苦笑を浮かべる藤ヶ谷さんに、ふん、とそっぽを向いた。


「そんな怒らないでくださいよ。可愛い顔が台無しです。…まぁ、そういうところも好きですけどね」


「また、からかってるんすか?」


「からかってるように見えます?俺、嘘は言いませんよ。だから…」


いつか『太輔』って呼んでくださいね、と妖艶な声で囁かれ、思わず息を呑んだ。



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作者名:ニコたん | 作成日時:2017年2月28日 14時

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