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「そうだ、ゲームしませんか?」


「ゲーム?」


怪訝な顔を向けると、男は「ええ」と頷いた。


「ヒントを元に曲名を当てるだけの、簡単なゲームですよ」


「へぇー」


どうです?と訊ねられ、暇つぶし程度にはなるかな、なんて安直な考えで応じることにした。


「いいっすよ」


「じゃあ…」


宙に視線を向け、少し考える素振りを見せてから、男は胸ポケットからなにかを取り出した。


「これがなにか分かります?」


「なにって…、サングラス、ですよね?」


狼狽えつつも、確認するかのように男に訊ねた。


「そうです。ヒントその1はこれ。歌詞にサングラスが出てくる昭和の女性曲」


ちょっと古過ぎますかね、と首を傾げる男に、声が詰まった。


「あの、流石にそれだけじゃ…」


困惑の眼差しを向けると、男は「ですよね」と笑った。


「じゃあヒントその2。その人は…、見かけよりも尽くすタイプらしいですよ」


「尽くすタイプ…」


しばしの間考え込むが、思いあたる曲がなくて首を振った。


すると、男は徐にサングラスをかける。



*→←北のターン



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作者名:ニコたん | 作成日時:2017年2月28日 14時

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