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◇16◇ ページ17

side沖矢


この娘は確かに『黒い人』と言った。


その言葉はこの娘が気を失う前にも、私に……


いや、沖矢昴ではなく、赤井秀一のときに俺に向かって言った言葉だ。



だが今の俺は赤井秀一ではない。


なのになぜ……


A「あなた、黒い人…でしょ?」

沖矢「その黒い人に会ったのは覚えているのですか?」

A「はっきりとはわからない、けど、」


彼女は俺を見つめて微笑んだ。


A「黒い人が私に声をかけ続けてくれていたのは、どこかで覚えてるの。」


驚いた。

記憶喪失だからすべてを忘れている、そう思っていた。


だが彼女は赤井秀一のことを覚えている。


この娘に会うのに変装は無意味だ。


そう思った俺は自分の首に手をあて、



沖矢「君の言う通り、俺は『黒い人』だ。」


変声機のスイッチを切り、本来の声で喋る。



A「そう、その声……!やっぱりあなたは黒い人なのね」



また会えてよかった、そう彼女は言った。



沖矢「俺のことは怖くないのか?」

A「うん、さっきは誰かわからなかったし、あなたが来る前に来た人に怒鳴られて、それで怯えていたから…」

沖矢「そうか…」


とりあえず彼女は俺の話を聞いてくれるようだ。


沖矢「君はなぜここにいるか…それはわかるか?」

A「ううん、なにも。なんで殴られて、なんでここにいるのかわからない」


殴られたというのは他の人から聞いたのか。


沖矢「君を殴った人物は?」

A「え、う……ん??誰だろ……知り合いなのかもわからない」


やはり、俺のこと以外は何も覚えていないようだ。


沖矢「実は、俺が君に会いに来たのは理由がある」

A「理由?」

沖矢「俺は君が襲われているのをすべてみていた。」

A「そう、なの?」

沖矢「君を殴ったのは同級生の女子2人、男子1人の3人だ」

A「同級生……」

沖矢「あぁ、そのうちのリーダー格の女は君のことをかなり恨んでいたらしい」

A「そうなんだ……」

沖矢「だが君は、3対1の攻防戦の中でも強かった」

A「私が?」

沖矢「その時の姿を見る限り、空手や柔道をやっていたのだろう」

A「空手に柔道…」

沖矢「だが、そんな君に疑問をいだいた。」

A「疑問って?」



キョトンとした顔で俺を見つめる彼女。


そんな彼女に俺は言った。



沖矢「なぜ君は、リーダー格の女、そいつ1人の攻撃だけ全てよけなかったんだ……?」

◇17◇→←◇15◇


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剣城萌江(プロフ) - ハルカさん» ありがとうございます! (2020年8月7日 22時) (レス) id: 9aee53a1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - はちゃめちゃに面白かったです、、! (2020年8月7日 22時) (レス) id: bd20f305fa (このIDを非表示/違反報告)
『 』 - 面白かったです!! (2018年1月30日 23時) (レス) id: 82f14ce098 (このIDを非表示/違反報告)
剣城萌江(プロフ) - 夢羽さん» コメントありがとうございますヽ(;▽;)ノそう言っていただけてとても嬉しいです(涙) (2017年2月21日 19時) (レス) id: 7ee6bd3e98 (このIDを非表示/違反報告)
夢羽 - 完結おめでとう!とてもおもしろカッターデス! (2017年2月19日 8時) (レス) id: d3a97d98d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城萌江 | 作成日時:2016年4月18日 17時

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