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◇12◇ ページ13

side安室


A「その人たちは、誰……ですか??」



その言葉に僕は凍りついた。



いや、僕だけじゃない。


ここにいる人がみな、凍りついた。




梓「う……そ、よね…?」


安室「笑えない冗談はよしてくれよ、本当に…」



Aちゃんは僕たちの顔をみるなりキョトンとするだけだ。



A「よくわからないけど……私の、知り合い?」



首をかしげて間の抜けたような声でいう。


それを見ていた院長が


院長「じゃ、じゃあ!自分の名前……それはわかるかい?!」


A「自分の名前……?えっと、」



しばらくうつむいて考え込む彼女。



そうして顔を上げて申し訳なさそうな顔をして、



A「ごめんなさい、……わからないです」





その台詞は1番聞きたくなかった。



僕はとっさに彼女の肩をつかみ、


安室「嘘だ、変な冗談はやめろ!」

梓「ちょっと安室さん!!」



思いきり怒鳴っていた。



安室「何がどうしてこうなったのか、説明して……!」

院長「落ち着いてください!」

安室「ッ!?」


怒鳴り散らしていた僕は彼女の顔をみて我に返った。


その顔は、おぞましいものでも見ているかのような、とても怯えた顔だった。


Aちゃんのこんな顔を見たのは初めてだった。


A「い、や……やめて、離してッ」



彼女はまるで知らない人に襲われたかのように僕を突き放した。


その時僕は確信した。


これが記憶喪失なのか、と…。



信じたくなかった。



ついこの間まで、あんなに笑顔で笑いあっていたのに。



すべてが崩れていく、そんな気がしてならなかった。




A「怖い…みんな、出てってよ………」


彼女はついに泣き出してしまった。



院長「と、とりあえず、一旦ここから出ましょう。」


院長に促されとりあえず廊下に出ることにした。





院長「あれは間違いなく記憶喪失、でしょう…」

ママさん「元に戻すにはどうすれば?!」

院長「それは…私にも……」

梓「Aちゃん……」

安室「ッ…」


本当に信じられない。



やっと、やっと目を覚ましたのに……。





とりあえず僕らは帰された。


これからポアロで仕事があるかと思うと気が重い。




梓「……きっと、すぐに元に戻りますよ」


そう優しく言ってくれるが僕はそれが信じられなかった。


安室「そうだといいですね…」


病院からポアロまで、足取りが重かった。

◇13◇→←◇11◇


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剣城萌江(プロフ) - ハルカさん» ありがとうございます! (2020年8月7日 22時) (レス) id: 9aee53a1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - はちゃめちゃに面白かったです、、! (2020年8月7日 22時) (レス) id: bd20f305fa (このIDを非表示/違反報告)
『 』 - 面白かったです!! (2018年1月30日 23時) (レス) id: 82f14ce098 (このIDを非表示/違反報告)
剣城萌江(プロフ) - 夢羽さん» コメントありがとうございますヽ(;▽;)ノそう言っていただけてとても嬉しいです(涙) (2017年2月21日 19時) (レス) id: 7ee6bd3e98 (このIDを非表示/違反報告)
夢羽 - 完結おめでとう!とてもおもしろカッターデス! (2017年2月19日 8時) (レス) id: d3a97d98d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城萌江 | 作成日時:2016年4月18日 17時

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