PARACAGE 4th【ars】 (ページ28)

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133.女子会。ページ28

アカリは私がシェアハウスに引っ越した事までは知ってる。

だからすぐに「待って、まさかシェアハウス...？」と、声を潜めた。
別に誰も聞いてないと思うけど。

「うん。そうなんだよね...」
「シェアハウスに咲くんが住んでんの！？」
「うん。住んでんの...」
「嘘でしょ...」

半分ほど飲んでたお水を一気に飲み干したアカリは、店員さんに「お冷下さい」って手を挙げてる。

「Aは咲くんがそこに住んでるの知ってたの？」
「まさか！知ってたら住まないし！」
「住まないの？」
「住まないでしょ！」
「何で？だってそんなの楽園じゃない？」

空っぽになったコップに店員さんがデカンタからお水を注ぐのを横目で見ながら「そうでも無いよ...」と呟くと、アカリは前のめりだった身体を更に私に近付けた。

「最初はね、大変な事になった！とは思ったけど、やっぱり憧れてファンになった人とお近付きになれるんだーって想いもちょっとはあったんだけど」
「うん」
「顔見るだけで緊張するし、生きてる心地がしなくって」
「アハッ！それはそうかもね」

一緒に暮らし始めて、毎日毎日「夢みたいだ」と思ってた頃を思い出す。

「ねぇ、咲くんって家ではどんな感じなの？」
「え？」
「だって、寝起きとかお風呂上りだって見れちゃうんでしょ？」

見れちゃうんです。
ほぼ毎日、見れちゃうんです。
時々サービスしてくれてんの！？って言いたくなるような格好でお風呂から出て来るんです。

「寝起きは...可愛いかな。目が腫れてて」
「え...目が腫れてるのが可愛いの？ヒロシも寝起き、目パンパンだけど結構悲惨だよ？」
「ヒロシ君、可愛いと思うけどなぁ」
「Aは寝起きのヒロシ知らないでしょ？なかなかの仕上がりよ？」

ヒロシ君、彼女がこんなコト言ってるよ。
でもアカリさっきからニヤニヤしてるし、ノロケだと思うから安心して。

「で、お風呂上りは？」
「......色気の蛇口が壊れてるのかな...と思う」
「う...」
「想像してみてよ？お風呂上りってデフォルトで髪が濡れてるからね？」
「うぅっ...待って私、想像だけで鼻血出そうなんだけどAは平気なの！？」
「平気な訳あるか！何度となく鼻の奥に力を入れて我慢してるんだから！」
「そんな方法で鼻血って止まるの？」
「分かんないけど、とりあえず噴射した事は無い」

噴射って！ってアカリが笑ってると、パンケーキとサンドイッチが運ばれて来たからひとまずお腹が減ってた私達はご飯を食べる事にした。