PARACAGE 2nd【ars】 (ページ14)

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49.繋がり。ページ14

「潤くんって、ヘップバーンに似てるよね」

ニノくんが言うから頭の中で潤くんと、オードリーヘップバーンの顔を並べてみる。

「似てる」
「だよね」

クスクス笑い合う。

「何か映画観たくなったら潤くんの部屋行けばいっぱいBlu-rayあるよ」
「私にも貸してくれるかな」
「うん。借用書は書かされるけど。なんか、貸出カードみたいなのがあんの」
「潤くんらしい」
「だよね」

またクスクス。

「あ...じゃあ、皆どこかしらで繋がりのあるメンバーだったんですね」

幼馴染みの翔さんと智くん。
高校の先輩後輩のニノくんと翔さん。
元職場が同じの雅紀くんとニノくん。
大学のサークル仲間の智くんと潤くん。

何か...私だけ関係無い人間がポンッと入り込んでしまった感じなのかも...。

「もしかして、自分だけ部外者だなーとか思っちゃった？」

ニノくんがフフンって感じで笑う。
心が読めるのかな、この人。

「Aだって、翔ちゃんの爺ちゃんと友達なんでしょ？」
「違う違う、私が住んでた家の大家さんが翔さんのお爺さんとお友達で...」
「え？あ、そうだっけ」

そうか、ってニノくんはお尻をモゾモゾさせてハーフパンツのポケットから出した煙草を咥えた。
縁側の端っこに置いてある灰皿を、咥え煙草のまま腕を伸ばしてこっちにズルズル引きずってる。

「あ、Aの苗字」
「苗字？」
「寺坂じゃん。寺。テラハウスに住む運命だったんじゃね？」
「アハッ！何か無理やり！」
「ンフフ、ありでしょ」

ふわぁっと煙。

「眠てー...寝よっかな...」

その場に転がろうとしたから「寝煙草、危ない！」って腕を掴んでニノくんが寝転ばないようにする。

「痛い痛い、A馬鹿力」
「納品とか意外と力仕事もあるから、知らない間に強くなっちゃったのかな」
「えー。女の子はか弱くなきゃ」
「ニノくん、そーゆー女の子が好きなんですか？」

彼はプカプカと口から煙を吐き出して、視線はその煙を追い掛けて

「さぁ。どうだろ、別にどっちでも良い」

あんまり唇を動かさずに、呟いた。

「弱いのも強いのも面倒だし、弱いのも強いのも可愛いし」
「.....」
「どっちでも良い」
「.....」
「好きになったら、何でも良い」

短くなった煙草を、何故か私に手渡して

ニノくんはコロンと寝転がった。横向きで、背中を丸めてる。

仕方ないから、灰皿に煙草を押し付ける。

ニノくんの背中が、呼吸に合わせて小さく波打つ。