ココロ２５ ページ26
その言葉にラギーが反応して、発したのはやはり自ら進んでアズールに相談事はしたくないと言う。それはAも同意見である。でも、今は彼がAに頼み事をした。即ち、立場上はAは、彼らの手伝いをする代わりに、何かをしてもらうという立ち位置。悪い条件でもなかった。これがなければ、アズール達の手伝いなどするわけもない。
「ちょっと無茶な問題もホイッと叶えてくれるし、実力のある魔法士というのは確かなんスけど。」
「そもそも取り引きってのは、欲しいものがある方が不利になるに決まってる。頭の回らない草食動物が、軽い気持ちで契約すりゃあの手この手でカモられるのがオチだ。」
レオナの言葉にごもっともと言わんばかりに、Aはニヤニヤしてしまった。まさに、すぐ側にいるユウがそのカモであろう。どうしても彼女だけは許せない。だから、早く陥れたい。もう二度と立ち上がれない程度に。
「すごく不安になってきた……。」
ユウがポツリと呟いた。その心境はいろいろあるだろう。頭の回るユウにとっては慈悲のないAが、邪魔をすると言っていたからだ。もし、邪魔をされたらイソギンチャクがついてしまう。それでも、なんとか友達を助けたいし、Aとも仲良くしたい。Aは仲良くする気など毛頭ないが。それこそ平行線という言葉が合う。
「話のタネに聞いてやる。どんな条件で契約したんだ？」
ユウはその条件を話すと、レオナとラギーはポカンと口を開けて数秒経ってから復唱する。
「３日後の日没までに……」
「アトランティカ記念博物館に忍び込んで、写真を取ってくる………。」
「「………………………………。」」
しばらくの沈黙。それを破ったのがラギーだった。それは哀れんだ声色に乗せられ、他人事のように切り捨てられるものだった。Aはその時、まだ手を貸したという訳ではなかったということだったのか？と気づいた。でも、問題はそこじゃないと首をブンブン振る。嫌いなやつを縄張りにいれたのだから、その報復はきちんとしなければならない。
「なんか……御愁傷様ッス。」
「勝負が始まって早々、縁起でもないこというんじゃねぇんだゾ!!」
「そもそもアトランティカ記念博物館って海の中じゃないッスか。どうやって行くつもりなんスか？」
「アイツら、水の中で呼吸が出来る魔法薬をくれたんだゾ。」
それに対してはAは、余計なものを渡したもんだとは思っている。
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冴凪(プロフ) - 監督生さん» コメントありがとうございます~！そろそろ更新するので待っててくれたから幸いですっ (2021年9月1日 17時) (
レス) id: 9684b934dc (このIDを非表示/違反報告)
監督生(プロフ) - 最高すぎます。続きがたのしみです！ (2021年7月29日 13時) (レス) id: b04fbbb950 (このIDを非表示/違反報告)
まろ。(プロフ) - ゆうなさん» 書いていて私もムッカムカしちゃってました……（）そうなんですよね、嫌いな奴の手助けになってしまうからこそ夢主もドンドン闇深くなっていってて（私がそうさせている）ありがとうございます！これからも頑張りますね！ (2020年12月18日 8時) (レス) id: f82dd573b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - これはいくらなんでもむかつきます、自分を勝手に担保にされた挙句嫌いな奴の間接的ではあるけど手助けになってしまう…ムカつく以外の何者でもないですなぁ…。話面白いです！！これから応援してます！ (2020年12月15日 11時) (レス) id: 1fc8fa02db (このIDを非表示/違反報告)
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