ココロ１４ ページ15
寮に戻ったが、ラギーとは話はしなかった。ラギーは無理に話そうとはしていなかったが、自分がやってしまったという罪悪感はあっただろう。
スマホにレオナとラギーの着信履歴が、気持ちが悪くなるほどに入っていた。そう言えば、さっき抱きしめられた時、ラギーの手がやけに冷たかった。でも、それは彼が嫌なことをしたから、その場から逃げただけ。
逃げることも、一つの手段である。その場にいるほど神経が図太くない。監督生なら、いれたかもね。なんて思ってる。やっぱりこういうところなのだろうか。みんなと仲良くして、愛想振りまいて、馬鹿みたいに笑ってる奴との差というやつだ。
Aは陰キャという訳ではない。ただ人を見て友達や大事な人を選ぶ。誰彼構わずに愛想振りまくような性格は、生憎持ち合わせていない。世間では、これでは渡っていけない。そんなこと知ってるけど、そんなもの知らない。
痛がり屋もいい加減にしないと、そろそろ心が擦り切れてなくなってしまいそうだ。
膿んでるところに、塩を塗られてるような感覚だ。とても痛い。痛いのに周りは「そんなもの大したことはい」と言う。大人はだいたいそうだろう。
さっきのラギーの行動だって、塩を傷口に押されてる感覚だった。探してくれたのに何で何も言わないんだと、周りの目がそんなことを言ってるような。こんな罪悪感ほど要らないものはないだろう。
この間のレオナのオーバーブロッドで、ユニーク魔法の代償は【情緒不安定になりやすい】という精神面のものだったというのもある。まだその代償が、抜けきらない時にこんなことになったのだ。
帰ってきたとき、レオナは何も言わなかった。様子がいつも以上に、違うと思ったから。レオナは学生と言えど、成人はしている立場である。考えはちゃんとしている。ただ少し不器用で、何と声をかければいいか分からなかった。
「お前、Aに何かしたのか？」
「……監督生くんに、勉強教えてやっただけッスよ。」
「……はぁ……。」
レオナは盛大なため息をついた。そのため息は、ラギーがどんな意味を持っていたのか、なんとなくだが想像はつく。
「散々アピールしておいて、草食動物とお勉強
かよ？俺なら断るけどな。」
その言葉に何も言えない、当然のことだろう。相手にはきっと自分の気持ちは伝わっているのに、それを自分から遮断したようなものだから。
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冴凪(プロフ) - 監督生さん» コメントありがとうございます~！そろそろ更新するので待っててくれたから幸いですっ (2021年9月1日 17時) (
レス) id: 9684b934dc (このIDを非表示/違反報告)
監督生(プロフ) - 最高すぎます。続きがたのしみです！ (2021年7月29日 13時) (レス) id: b04fbbb950 (このIDを非表示/違反報告)
まろ。(プロフ) - ゆうなさん» 書いていて私もムッカムカしちゃってました……（）そうなんですよね、嫌いな奴の手助けになってしまうからこそ夢主もドンドン闇深くなっていってて（私がそうさせている）ありがとうございます！これからも頑張りますね！ (2020年12月18日 8時) (レス) id: f82dd573b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - これはいくらなんでもむかつきます、自分を勝手に担保にされた挙句嫌いな奴の間接的ではあるけど手助けになってしまう…ムカつく以外の何者でもないですなぁ…。話面白いです！！これから応援してます！ (2020年12月15日 11時) (レス) id: 1fc8fa02db (このIDを非表示/違反報告)
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