真の雨 (ページ2)

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プロローグページ2

成績は普通で真面目。
それがあたし、畑中雪だった。

『……退屈』

毎日毎日、良い子を演じて、偉い子を演じて。
本当は普通の女の子なのに。

まるでお話のセリフみたいだけど、本当の話よ？

皆とワイワイ楽しみたかったり。
好きな物の話をしたり。

特に、漫画！

え、漫画好きなのかって？
『もちろん』って即答できるくらい好きよ？

一番好きなのは、『家庭教師ヒットマンREBORN!』！
殆どの子がボンゴレとかヴァリアーが好きみたいだけど、あたしは断然ミルフィオーレ。
特に真六弔花ね。

『そろそろ、帰りますか』

　帰りの会のあと、あたしは荷物をまとめる。
テスト1週間前だから部活はない。
しばらくして教室から出たあたしを、同じ部活の友達が待っていた。

「今日こそはどこか寄ろうよー」
『ごめん。遅くなると親がうるさいからさ』
「本当に厳しいよね、雪のお父さんとお母さん！」

ほんと、同感よ。
まあ、あたしの為を思ってなんだろうけど……もう少し緩くたっていいじゃない。
そんな事を考えながら、いつもみたいに横断歩道を渡り始めた時だった。

「雪！」
『……え』

振り返ると、真横にいたはずの部活仲間。
ふと歩行者用の信号が目にはいる。

――赤、だ。

気づいた時には、止まりきれなかった乗用車に跳ねられたみたいで。

最後に見たのは、あたしに駆け寄るたくさんの人達。

そして、笑えるくらい真っ青な空だった。