【第五人格】出会う度に“キュウコン”されます【白無常】 (ページ6)

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〜四話〜ページ6

「えぇ、まぁ。何故補助型になったのか荘園主に問いたいくらいには」

「ふふ、案外警戒心がないのですね。」

あぁ、気を抜いてしまったのはまずかったか。
そういえば、エミリー先生が言っていた。「彼は心理戦に強いのよ」と。

神出鬼没

ハンターが持ち込んだ特質だ。
初めからﾀﾋぬつもりではあったが、神出鬼没でとは。
まぁ、良い。イライもトレイシーも脱出済みで、ナワーブ先輩だけが残っている。引き留めるも切れかけなこの状況。危機一髪が残っている上、頑強を持つ彼は私を助けにくるのだろう。教会外の椅子に座らされ、今度は私から口を開く。

「お二人とも、中々卑怯なお方ですね。」

私の経験不足、油断が招いた結果とは言え話しながら襲ってくるのは卑怯だろうとそう言えば、白い無常は

「敵から言われる“卑怯”は中々の褒め言葉ですね」

と。あぁ、ムカつくなぁ。と心の中で呟いたが、実際はそこまでムカついてない。5台分チェイスしたんだ、むしろ清々しい。
おっと、ヒーローが遅れてやってきた。

「仲良く話してんじゃねぇよ新入り。」

一撃くらいつつも救助してくれたナワーブ先輩に軽く謝りつつ、ゲートへ走る。すると、ハンターが左腕を上げて高速で迫ってくる。
Q.これはなに？
A.吸魂。
そんな自問自答をしつつ、どんどん意識が吸われる様な感覚に眉を寄せる。ナワーブ先輩の「おい！」という声を最後に、完全に吸い切られる。あぁ、やっぱり習うより慣れろは間違っていない。
横にいたナワーブ先輩はいなくて、周りには白無常が何人もいる。頭がふわふわする。足が動かない。チャットで「私を助けなくていい！」と送るとナワーブ先輩の悔しそうな声が聞こえた気がした。
足を動かしていない今、きっと殴られるのだろう。
そう思っても、痛みは襲ってこない。
魂が戻ってきて頭を押さえつつ、周りを見る。
ナワーブ先輩は、脱出したみたいだ。
そして肝心のハンターは、私を見て笑っている。
馬鹿にされたように感じて、少し頬を膨らませつつ

「…はじめての感覚だから仕方ないでしょう。」

と言えば、白無常は未だ笑いつつも

「ふふ、えぇ、すみません。先程までの貴方とは違い過ぎて…ふふっ」

と。笑うポイントがいまいちわからないが、今なら逃げられるかもしれない。ゲートに向かって走り出せば、白無常は攻撃を溜める。

「ふふ、逃しませんよ。貴方だけは」