【第五人格】出会う度に“キュウコン”されます【白無常】 (ページ5)

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〜三話〜ページ5

「2回も大人しく喰らうかよ、ば〜か」

次の板まで辿り着けば、また読み合い。
相手も私同様、2回も大人しく喰らうはずが無い。
今度は「ベル」を使って私を転ばせようとする。
だが残念。それも先輩に教えてもらっているのさ。
面舵一杯、ギリギリのところでベルを避ければ一度ベンチを周回する。この板を当てれば、窓枠まで行くことも叶う。
窓枠へ行ければまた板攻防を挟んで…

よし、私ならいける。

今の私は「補助型」じゃない。完全な「牽制型」だ。

かかってこいよ、どんなハンターでも。
タゲチェンなんて許さない、私だけを見ろ。

あぁ、クッソ。そろそろキツイぞ、暗号機はまだか。
場所は変わってL字、暗号機は残り1台。
あんな大口叩いたものの、能力も梟も無しでチェイス。
レッドカーペットでイライ、トレイシー、パペットの3台分を稼いで墓場へ移動。そしてすぐに壁中央のナワーブ先輩もあげて、今は全員で北壁を解読。
未だ黒い状態のハンターは、私だけは飛ばすという決意に燃えている様子だ。
L字の板をなんとか当てれば、3人から同タイミングに「先に行くよ！」と送られてくる。私を除いて仲良ししやがって。
ナワーブ先輩がゲートに着くまで稼いで、ダウンしたタイミングで上げてもらおう。そう思いながら、教会へ向かう。
が、しかし。傘ワープで一気に距離を詰めてきたハンターによりダウン。予定より少し早いダウンになってしまったことを申し訳なく思いつつ、うるさい通電の音を聞く。
中治りにより加速する身体に未だ慣れないな、と思いつつ走って教会へ行く。
教会の奥、窓がない方の板。
ここで最低限稼げれば勝ちが確定。
…おっと、本日3回目。ハンターが口を開いた。

「貴方がAさんですね。」

これが先輩たちの言っていた、魂が違うということなのだろう。先程までとは違って，穏やかな雰囲気だ。ベンチを挟んで私を見るハンターに、戦意は感じられない。

「えぇ、そうですとも。貴方は白無常サン、ですよね。初めまして」

あぁ、名前を覚えておけばよかった。そう思いながらも口を開けば

「こちらこそ、初めまして。チェイスがお得意なのですね」

脈絡などないその言葉に軽く驚きつつ、

「えぇ、まぁ。何故補助型になったのか荘園主に問いたいくらいには」

と。実際私は牽制型でもおかしくないくらいにはチェイスが得意だ。特に、板攻防。まぁ、アイテム的に補助なのだろう。