桃色の指先と翡翠の憂鬱 53

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生｢Good morning｣

阿｢斗真さんおはよう｣

生｢コーヒーいただきます｣

川｢斗真、さなぴー見てきて｣

佐｢俺が行く｣

佐久間が朝ご飯の続きで、俺のお弁当を作ってる手を止めて出て行った。



阿｢距離取るって言ってたのに…｣

生｢さなぴーもさっくんとは距離を置くって｣

川｢ゼロ距離が佐久間です｣

阿｢斗真さん、さなぴー恋人出来たんだよね？｣

生｢はい。でも、別れました｣

川｢そうなの？｣

生｢日本で仕事があると、2ヶ月帰国する話をしたらあっさりです｣

阿｢はやっ｣

生｢帰国するか恋人でいるか迫られて、さなぴーはすぐに帰国を選んだので｣

川｢悪いことしたね｣

生｢steadyを決める前は、複数人とデートもしますし、デートしたから恋人でもないです｣

阿｢恋人じゃなかったの？｣

生｢さなぴーは付き合ってた感覚でしょうね。キスもしたみたいですし｣

川｢告白しないからね、欧米の人は…｣

阿｢振り回されて捨てられたってこと？｣

生｢それが普通です｣



欧米の恋愛事情は、俺には難しい…。

結婚しないで同棲したままも普通らしいし。

朝ご飯を並べて、佐久間が途中のお弁当を川島先生が仕上げてくれた。




佐久間が真田くんを引っ張ってきて、ダイニングテーブルに座らせた。


阿｢さなぴー、おはよう｣

真｢おはよう。時差ボケなのか、眠い…｣

川｢今日はさなぴーは休みで良いからね。実家に挨拶に行くでしょ？｣

佐｢俺が送るよ。眠いのに運転したら危ない｣

川｢佐久間は舞台の稽古。斗真、送ってあげて。僕は午後から学校に行くから｣

生｢はい｣

真｢ロンドンのお土産、渡し忘れてた｣

佐｢どこにあんの？｣

真｢スーツケースの中の紙袋｣

佐｢取ってくる｣

佐久間が走って取りに行って戻ってきた。

真｢これは川島さんと阿部さんに｣

阿｢ありがとう｣

川｢エコバッグ、糸がほつれてきたから助かるよ｣

俺と川島先生は、ロンドンで有名なデパートのエコバッグだ。


真｢さっくんはこの犬｣

佐｢さなぴーありがとう。これって、コーギーちゃん？｣

真｢うん。女王陛下が昔飼ってた愛犬で大人気なんだよ｣

生｢バッキンガム宮殿のメダル付きです｣

佐｢おー。ロイヤルなわんちゃんなんだね｣

川｢朝ご飯食べないと阿部先生遅れますよ｣

阿｢うん。いただきます｣



パジャマのまま、朝ご飯を手伝う形になったから俺は身支度がまだで。

佐久間がいると佐久間のペースに巻き込まれてしまう。

それもまた楽しい。

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