まどろみ悪巧み / shk ページ3
**
ふわぁと欠伸をしながらいつも座っている席に腰を掛けて、隣の椅子にリュックを置いた。
この時間帯はどうにも眠くなるものだ。今日は授業が4限目にしか入っていなかったので、昨晩はついつい夜更かしをしてしまった。
窓から差し込む柔らかな日差しがぽかぽかと暖かい。これじゃ授業中も眠くなっちゃいそう。
そういえば、朝から授業が入ってるくせに一緒に夜更かししたあの人は今頃どうなっているだろうか。
眠そうな声であと1回、次勝ったらやめると言いながら永遠にゲームをやめていなかったことをぼんやりと思い出す。
きっと眠過ぎて顔が死んでるんだろうな、私のせいにしてこないといいけど。
さて、そろそろ教科書でも出すかとリュックに手を伸ばした矢先、なぜかリュックは突然宙に浮いていった。
いきなりの出来事にぽかんとしている私をよそに、奴はどかっと席になだれ込んだかと思ったらそのまま私のリュックを抱きしめて机に突っ伏してしまった。
『ちょっと、それ私の鞄なんですけど〜？』
「うっせ。せんせー来たら起こして……」
くぐもった声でそれだけ言い残すと、シャークんはそのまま寝てしまった。教科書出しそびれちゃったな。
まだ教室に人が少ないのをいいことに、私はすうすうと小さく上下する身体を眺めながらシャークんの髪に指を通してさらさらと撫でてみた。
どうやら予想通り相当眠いらしい。普段ならやめろと言いながら仕返しをしてくるのに珍しくされるがままにされていた。
なんだか猫でも撫でているみたいだなと笑っているとシャークんはもぞもぞと動き始めた。
『シャークんちゃんと課題やった？』
「……写させて」
『やだよ』
「じゃあもう夜電話しない」
『それはだめ』
それでもちょっと言い返すくらいの体力は残っているみたい。
突っ伏したままゆっくりとこちらを向いた彼の目の下のクマはなんだかいつもより濃くなっているように見えた。だから早く寝たらって言ったのに。
また猫を撫でるみたいに彼のクマをなぞってみると、彼はくすぐったそうに目を瞑った。
「……俺はペットじゃないんですけど」
『だって珍しく大人しいんだもん。今のうちに触っとかなきゃ』
そうやってまた私がシャークんの髪に手を伸ばそうとすると、彼は不満そうな顔で私の手を掴んできた。
しかもタイミングの悪いことに、教室には先生が入ってきてしまう。
あと3分で授業開始だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 354人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふわぴ(プロフ) - 如月さん» ありがとうございます〜！！葡萄組いいですよね…私も大好きです🥳最後のお話は配信みてこういうの書きたい〜！！！と衝動書きしたものでした！笑 (2022年1月30日 11時) (
レス) id: 159c9c50ae (このIDを非表示/違反報告)
ふわぴ(プロフ) - 霰桜猫姉さん» コメントありがとうございます！オトナの責任は全面的にそれっぽい雰囲気を作り出しても結局は流れでやっちゃう、みたいな上手くいかないけどsmさんぽい感じになるよう頑張りました😌次回作もぜひお願いします！💕 (2022年1月30日 11時) (レス) id: 159c9c50ae (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 完結おめでとうございます！葡萄一番すきなペアなので俺得すぎて…スマさんの最後のやつニーディーガールオーバードーズ思い出した！ (2022年1月29日 19時) (レス) @page46 id: d203b79d8a (このIDを非表示/違反報告)
霰桜猫姉 - 初めまして！最初の１話からもうすでに面白かったです。自分的には、smさんの「オトナの責任」が一番おきにです！！ちょっと Hぐらいのがめちゃ好きナンスよねぇ〜。次回作も楽しみにしております。 (2022年1月29日 13時) (レス) @page46 id: 1ddcc1de82 (このIDを非表示/違反報告)
ふわぴ(プロフ) - 俎板さん» わ〜い！ありがとうございます✨ 心に刺さるお話が書けていたでしょうか…☺️☺️ (2021年11月4日 0時) (レス) id: 159c9c50ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふわぴ
| 作者ホームページ：http://urana
作成日時：2021年10月27日 21時
