君のせいです！

17話目 ページ17

『…部署が変わっても、彼は私の大切な後輩なんで。余計なことはしないでください』


自分でも驚くくらい、低くてドスの効いた声が出た。
上司はそれにビビったらしく、なにかよく分からない言葉を叫んでどこかへ行ってしまった。



shp「…先輩こわ。」

『えっ…そ、そんなに怖かった？』


さすがにやりすぎただろうか。でも、ほぼ無意識のうちにやっていたのだ。それだけショッピくんのことが大切ということなのだからしょうがない。


shp「まあ、嬉しかったですけど…」

『ちょ、いまちょっとデレた！？』

shp「は？何言ってんすか。ほら先輩定時でしょ、さっさと帰る準備してください送りますから」


ちょっと早口になりながら彼も帰る準備をするために離れていった。
いや、今のは絶対デレた。初めてデレたぞこの子。




『んふふ、ショッピくんもかわいいところあるなぁ〜』

shp「あーもういつまで言ってんすか、振り落としますよ？」

『ひえっ…ショッピくんも充分怖いと思うんですけど…』


バイクに乗ってからもショッピくんの新しい一面が見れたのが嬉しくて、ずっとにやにやしていた。



でも、それも今日でもうおしまい。そう思うとどうしようもなく悲しい気持ちになってしまうのだった。

私はバレないくらい、ほんのちょっとだけ腕に力を込めて、ショッピくんに顔を近づけた。

いつもバイクに乗っている時は、彼からほんのりと煙草の匂いがする。煙草はそんなに好きじゃなかったけど、それがショッピくんの匂いだと思うとなんだか愛着が湧いてしまう。



以前また二人で飲み会に行った時、実際に煙草を吸うとどんな感じなのか気になったのでちょっと吸わせて、と頼んだのだが先輩みたいなおこちゃまには早いですよ、なんて煽られてしまった。

でも、彼なりに私のことを心配して言ってくれたんだろうな、っていうのはなんとなくわかる。


私は彼のそういうところが好きなのだ。


……彼のことが、好き？

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