気をつけろバカ！ (ページ16)

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男性のくせに何故か私よりも華奢な体つきでベジタリアン。それなのに、牛丼はミニとか頼むから全然男らしい体格にならない。それでもモテるのだから顔の良さとカリスマ性はずば抜けていると感じさせられる。腹立ってきた。

「Aよく食べれるな」

対する私は晴れてダイエット期間が先月終わったので大盛りを頼んだ。絶対リバウンドするのにアホすぎる。
いや私はちゃんと私なりの理由があって、中盛と大盛り同じ値段なんだから大盛りの方がメリットが多いという理由で選んだ。ちゃんとリングフィットやってるからちゃんと痩せるはず。はず！

「グルッペンが食べなさすぎなんだよ、卵いる？」
「貰うわ。ありがとうゴリラ……すまんて投げるフォームをとるな」

途中からタバスコをかけて食べるのが好きなので、タバスコを手に取ってかけた。
グルッペンは私から受け取った卵を小皿で割っている。コンコンコン、と三回小皿のふちで叩く。いや、正確には叩こうとした。なんか音大きいなと思ったら、勢いあまって三回目でグシャと何かが割れた音がした。

「やば…」

力の制御が出来ないとか厨房(インターネットスラング)みたいなこと言わないでほしい。卵の殻が細かく割れて黄身にも刺さったのか、小皿に殻入りで歪な形の黄身が入った。
幸いなことにグルッペンの衣服には何も被害がいかなかった。あまり手にも付着されていなくて、ラッキーなのか違うのか…。

「まあ、食えるがな」
「グルッペン不器用だよね」
「はあ？」

フッと笑いながら箸で器用に殻を除いているグルッペンに一言申すと、不機嫌に顔を歪められた。
ドジという言葉がこいつには似合わないから使わないだけだけど。変なとこ下手だよね…そういう綺麗に殻とるところは器用だと思うよ…。