狭間の11話 ページ13
「…A?」
暗闇から聞こえる一松さんの声。
これもまた夢?
ううん。夢でもいい
「一松さんっ!!」
「A!!Aっ!!」
スルリと通り抜ける体
抱きしめられない、抱きしめてもらえない
だって私はしんでいるから、幽霊だから。
その事実は痛いくらいに現実を私たちにつきつける。
「…ちゃんと、見えてる。僕には見えてるよ。A、Aだ。」
「一松さっ、ん!どこいってたんですかぁ!」
触れられないけどわかるよ、一松さんのぬくもり。
「…ちょっと猫のところ行ってた。てか、それはこっちのセリフなんだけど。」
「そ、れが…」
走馬灯みたいなのを見ていました。
パズルのピースがどんどんはまっていくみたいでした。
記憶が戻りました。
未練がわかりました。
…成仏できるかもしれません。
「…成仏?………よかったじゃん。」
なにを考えているかわからない一松さんの目と私の目があう
そう、だよね。
はやく、成仏しなきゃですね
「…一松さん、協力してくれますか?」
「…うん。もちろん」
皆さん、本格的に成仏活動が始まります。
##############
Aが現れた。
また、僕の前に。
まんまるにちっちゃくうずくまって、泣いてた
僕の中のちっちゃな何かが爆発して、なぜだかAを抱きしめた
でも、抱きしめられない抱き返してもらえない
こんな些細なことでも現実は痛いくらいに僕の心を締め付けた
Aはここにいるんだ。幽霊だけど、いるよ。
言い聞かせた、自分に。
「…ちゃんと、見えてる。僕には見えてるよ。A、Aだ。」
返ってきたのは弱々しい声。
そして、【成仏】というワード
Aが消えてしまうという事実
「…成仏?………よかったじゃん。」
そんなことこれっぽっちもおもってない、なんて心が叫んでる
なんで僕はいつもこんな事しかいえないのかな
バカじゃないの?
協力?
したくないよ。
「…うん。もちろん」
やっぱりバカだ僕は。
アマノジャクな僕のせいで
Aの成仏を早めてしまうことになりました。
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カカ(プロフ) - ば、バケツはないけど、私の口なら…!涙…!?嬉しいです! (2016年3月23日 22時) (レス) id: 75bdbe20fc (このIDを非表示/違反報告)
ダヤン - 。゚(゚´Д`゚)゚。涙が止まりません、誰のかバケツ持ってきて下さい! (2016年3月14日 22時) (レス) id: 81ec65b619 (このIDを非表示/違反報告)
カカ(プロフ) - 丸餅さん» ですよね(笑)一瞬押しちゃって…。エスパー伊藤めっ!!(笑) (2016年3月12日 1時) (レス) id: 18084a8950 (このIDを非表示/違反報告)
カカ(プロフ) - リオさん» 笑ってもらえて光栄です!(笑)私も真面目に爆笑してしまいました(笑) (2016年3月12日 1時) (レス) id: 18084a8950 (このIDを非表示/違反報告)
丸餅(プロフ) - エスパー伊東私も出てきますwww (2016年3月10日 23時) (レス) id: 84fdeefdb4 (このIDを非表示/違反報告)
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