侵入者 ページ10
夜眠っていたらにわかに屋敷が騒ぎ始めた。
その頃はまだ屋敷の中には大勢の使用人たちがいて、わたしは1人の寂しさを感じずにいられた。
お姉様とお兄様たちは結婚してしまい、次はわたしかもしれないと日々悩んでいた。
伏見様と結婚できたらいいのに。
そう思いながらその日も眠りについた。
ふと夜目が覚める。
悲鳴のようなものが聞こえたのだ。
わたしはそっと部屋を出ようとすると、それに気づいた使用人に部屋にいるよう止められた。
「どこだ！どこにいやがる！！出てこい！！篠宮の娘！！」
「邪魔なんだよ、テメェら！」
男の大きな怒声が複数聞こえてきて、わたしはベッドに慌てて潜りこんだ。
部屋は屋敷の一番奥。
ここに繋がるのは大きな廊下一つ。
窓から逃げようかとも思ったが、3階なので窓を開けて踏みとどまった。
そうこうしているうちに銃声のようなものが鳴り響いた。
ああ、わたし死ぬんだわ。
ここで、篠宮の女というだけで死ぬんだ。
最後に伏見様に会えたらよかったのに。
部屋の扉が開く。
そちらを見ると、廊下のカーペットに赤いものが広がっているのが見えて頭がクラクラした。
ああ、嘘。
「ようやく会えたな」
「おとなしく捕まってくれるか？」
近づいてくる男たちから逃げるように窓辺に近づいた。
窓から吹き込んでくる風が男たちの方へ行くように囁いているようで、わたしはぎゅっと目を瞑った。
その時だった。
「こちらにいてくださいまし」
大好きな人の声がした。
そう思ったら、わたしを飛び越えて影が入ってきた。
「なんだぁ！？」
「うわぁ！！やめろ！！」
その影は瞬く間に侵入者たちを床に倒していった。
男たちを縄のようなもので縛り上げると、その影はわたしの方へと歩いてきた。
わたしにはわかっていた。
これが誰なのか。
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宝(プロフ) - あーるさん» コメントありがとうございます！弓弦お好きなの嬉しいです〜(*^^*)おもしろいと言ってくださってありがとうございます！応援もありがとうございます！最後まで走りきります (7月5日 20時) (
レス) id: 2151f87f60 (このIDを非表示/違反報告)
あーる(プロフ) - 弓弦の夢小説少ないので嬉しいです(;_;)すごく面白いです応援してます！ (7月4日 23時) (レス) id: cb84109612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宝 | 作成日時：2023年7月3日 19時
