避けられてる… ページ34
授業が終わり、トボトボと歩いていたら噴水にたどり着いた。
そっと噴水の縁に腰掛ける。
水面に映る自分を眺めていると、自然とため息が落ちた。
弓弦くんのことだから心が落ち着いたら連絡してくれるだろうとか思ってたけど、何の音沙汰もないまま３日が経った。
会えない日でも「愛していますよ」と毎日連絡をくれていたのにそれさえもない。
これは2人の問題だし、2人で解決したいけど、どうすればいいのかがわからない。
このまま弓弦くんとの関係は自然消滅しちゃうのかしら。
まだ付き合って何週目です？
あまりにも早すぎる終わりにわたしがついていけない。
なにより愛してる人から嫌われることが怖い…。
こんなことならカスタネットを受け取らなければよかったのかしら。
膝の上で握りしめたポタポタと雫がこぼれ落ちる。
「わ〜！泣いてるんだぜ！？だいじょうぶ？」
顔を上げると太陽がチカチカと目に刺さった。
瞬きをするとそこにはRa*bitsの天満光様がいた。
「捕まえた！光くん！みんなが呼んでいるよ。あれ？えっと、たしかあんさんだよね？うむ、ずいぶんと久しぶりな気がするよ。元気だったかな？」
少し遅れてやってきた一彩様が天満様の腕を引こうとしてやめる。
「全然元気じゃないんだぜ。だって泣いてたんだぜ。きっとどこか痛いんだ。それくらいオレにもわかるんだぜ」
「いえ、な、なんでもないですわ」
わたしが目元を隠そうとすると、一彩様がふわりと手を取って顔を覗き込んできた。
「本当に泣いているね。何かあったのかな？よければ話してほしいよ」
「光ー！」
一彩様が走ってきた方から真白様と紫之様…だけでなくぞろぞろと何人か走ってきた。
あれ、全員アイドル科ですわね。見覚えがあります。
「あれ？普通科の人？まあここ共用だしそりゃそうか」
2winkの葵ひなた様。
「あれ、えっと、篠宮先輩？でしたよね。どうしたんですか、ここで」
この間お会いした真白様。
「泣いているんだよ。だから今理由を聞いていたんだ」
「ハンカチいりますか？」
一彩様の言葉に真っ先に反応したのは紫之様。
「いえ、だいじょうぶですわ。ありがとうございます」
「でもとっても悲しい色をしているな〜。よければ宙達にお話聞かせてください！」
色？えっと、春川宙様でしたよね。司くんのお友達でよく名前を聞く。
いいのかしら、話しても…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
宝(プロフ) - あーるさん» コメントありがとうございます！弓弦お好きなの嬉しいです〜(*^^*)おもしろいと言ってくださってありがとうございます！応援もありがとうございます！最後まで走りきります (7月5日 20時) (
レス) id: 2151f87f60 (このIDを非表示/違反報告)
あーる(プロフ) - 弓弦の夢小説少ないので嬉しいです(;_;)すごく面白いです応援してます！ (7月4日 23時) (レス) id: cb84109612 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：宝 | 作成日時：2023年7月3日 19時
