何がしたい？ ページ24
「はー、なんや最後えらいええ言葉やったな」
「そうだねー」
みかくんの感心にわたしも心を同じくする。
「ねぇねぇ、ところでさ。Aちゃんは伏見先輩と何がしたいの？」
チョコレートケーキにフォークを入れながら藍良くんに向き直った。
「何がしたいって？」
「たとえば愛してるって言われたいとか、キスしてほしいとか〜」
昨日言われた愛してるという言葉に頭がぼっと燃え上がる。
「あら〜、その反応はまさかもう言われたわね！きゃー！」
「ラブ〜い！！伏見先輩意外と情熱的なんだー！」
「ゆ、弓弦がそんなこと言ってるの！？なんかいけないことを聞いてる気になってきた…」
「ははは、桃李くんは複雑やろなぁ」
「何かしてほしいこと、他にあるの？」
嵐ちゃんの言葉にうっと心臓を抑える。
うぅ、恥ずかしい。でもみんなには恩があるし。
「キスは…したいけど、その…手を繋ぎたい。かな。まず…」
わたしの言葉にみんなは最初きょとんとしていたが、すぐにラブ〜い！！と盛り上がった。
「あかーん、これ以上はなんか恥ずかしくなってきたわ」
「手を繋いで、愛を囁き合ってキスするんでしょォ？素敵すぎるよ〜」
「これ以上はボクもう聞いちゃダメな気がする…とりあえずキスはダメ！！まだダメー！ボクが許さない！！」
「桃ちゃん複雑よねぇ〜」
桃李くんは同じ家で育ってきた人の恋愛事情を聞くのは複雑なのかもしれない。
付き合う前ならまだしも付き合った後のことなんか基本聞きたくないよね…。わかる。
わたしもお姉様の恋話が段々激しくなるにつれて聞けなくなっていったもの。
「キスはまだ難しいとしても、手を繋ぐなら簡単じゃない？帰り道でもどこでもそっと手を伸ばせば弓弦ちゃんなら握り返してくれると思うわ」
「えー、まどろっこしいじゃん。普通に手繋ごうって言えば？」
桃李くんが面倒そうに首を振る。
「それが言えないのが恋なんですよォ！」
「えぇー？めんどくさいなぁ。ボクと弓弦だってたまに手繋いでるけど、弓弦から繋ごうって言ってくるよ」
「それは執事やからやない？」
「うらやましい…桃李くん」
わたしにはどうするんだろう。
わたしが望めば弓弦くんはしてくれるんだろうか。
でもわがまま言っていいなら、弓弦くんから言われたいなぁ…。
──A、手を繋ぎましょうか。
想像したら顔が熱くなってきた。
「あ、Aちゃん照れてる、ラブ〜い！」
みんなの温かな視線にわたしは顔を隠した。
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宝(プロフ) - あーるさん» コメントありがとうございます！弓弦お好きなの嬉しいです〜(*^^*)おもしろいと言ってくださってありがとうございます！応援もありがとうございます！最後まで走りきります (7月5日 20時) (
レス) id: 2151f87f60 (このIDを非表示/違反報告)
あーる(プロフ) - 弓弦の夢小説少ないので嬉しいです(;_;)すごく面白いです応援してます！ (7月4日 23時) (レス) id: cb84109612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宝 | 作成日時：2023年7月3日 19時
