【REBORN】最高の幸せ 5【沢田綱吉】 (ページ5)

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205．たまに見返したくなるだけ！ページ5

＿＿＿＿話は少し前に遡る。

アルコバレーノの呪いが解けて現在成長中のコロネロと大人の姿に戻ったラルから、2人の結婚式への招待状が沢田家に届いた。それに同封されていたコロネロからの『お前も男なら決めるときは決めろよ、コラ！』という直筆のメッセージに綱吉は気付いて首を傾げる。

「……決めろってどういうことだ？」
「つまり、コロネロの言いたいことはこうだ。“早くツナも彼女つくれよ、コラ！”」
「んなー！？余計なお世話だよ！」

顔を赤くさせて照れる綱吉に、リボーンは真面目な顔をして「だが先のことを考えると10代目の妻探しは始めてもいいかもしれねーな」と乗り気である。

その流れで優柔不断さに問題があるとリボーンに指摘され、彼と恋愛方面特別講師のビアンキの2人から“優柔不断克服プログラム”を強制的に受けさせられることになってしまった。

ビアンキに候補として出された1人目はハル。どうして彼女がと疑問に思っていた綱吉だったが、ランボ達と約束があるからと訪ねてきたハルに玄関先でじっと見つめられ、思わず頬が赤らんでしまう。

「知らぬ間に可愛くなったハルにようやく気付いて驚いたようね」
「あ、あいつがじっと見つめてくるから、焦って」

そう、綱吉はまだ思春期真っ只中の男子中学生。昔からずっと一緒に過ごしてきた幼馴染のAには意識せずとも抱きしめたり「一緒にいたい」と恥ずかしがらずに伝えられるというのに、本来の彼は女性との距離感にドギマギするただの男の子なのだ。

ビアンキのからかいに綱吉が言い訳を並べていると、リボーンが言葉を続けた。

「あと残ってる彼女候補はAと……」
「A？Aは違うよ。俺達はただの幼馴染だって何回も説明しただろ？」

呆れたようにAとの関係をはっきりと言う綱吉に、リボーンは「じゃあ、ベッドの下のあれは何なんだ？」と意地悪な問いかけをする。綱吉の頭に浮かぶのは、ベッドの下に隠されたAと自身の2人だけの思い出が詰まったお菓子の箱。

「あれは……たまに見返したくなるだけ！それに俺、Aには幸せになってほしいし、これ以上迷惑かけたくないんだ」

“幼馴染離れ”を黒川に促されてからというものの、綱吉はAに積極的に近寄ることができなくなった。昔みたいにAに笑ってほしいのに、自分のせいで彼女は笑えなくなったと感じてしまい、Aを頼らなくても良いように無意識に“幼馴染離れ”を意識していたのだ。