【REBORN】最高の幸せ 5【沢田綱吉】 (ページ26)

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226．もう付き合ってるの？ページ26

「ハル達も、いたよ」
「……そう」

少しの間をおいて発せられた綱吉の言葉は、告白した事実を隠されたとAが感じるのも無理はなかった。

Aは色違いのパジャマを脱ぎ捨てたくなるほどの苛立ちや、言い難い悔しさのせいで上手く表情が作られず俯く。そのまま綱吉に背を向けて布団に横になり、顔まで毛布を手繰り寄せた。

「A寝るの？もう電気消す？」
「ううん、綱吉が寝るタイミングで消していいよ」
「……俺はもっとAと話したい」

「だから、まだ寝ないでほしい」と綱吉は言う。Aは、悲しそうな声を出した彼の表情を見る勇気がなくて、毛布で顔を隠したまま「さっきから言ってるでしょ、ただ横になっただけ」と震える声を誤魔化した。

「隣に来る？天井の模様が怖くて眠れないだろ」
「それっていつの話？」

もう平気だよとAが続けると、綱吉は少しの間をおいて静かにAの名前を呼んだ。「どうして俺のこと見てくれないの？」と続けられた言葉を聞いて、Aは目を見開き歯を食い縛る。

＿＿＿＿私を見てくれないのは綱吉でしょ。
Aがそれを口に出すことも悔しくて黙っていると「今日は獄寺君と一緒に来たらしいね。本当に仲良いんだなって思ったよ」と綱吉は少し早口で話題を変えた。

「隼人が迎えに来てくれたから」
「へえ。……そういえばAって、獄寺君と話すときは楽しそうに笑うのに俺と話すときは全然笑ってくれないよね」
「気にしすぎだと思うけどなぁ」
「全然違うよ！」

責めるようなとげのある言い回しをした綱吉に腹が立ったAは、我慢できずに「綱吉こそ京子と距離近いよね」と言ってしまう。空気が悪い方向に進んでいると理解していながらも、口は止まらない。

「今日もずっと隣に座ってたし距離も近かった。もう付き合ってるの？」
「つ、付き合ってないよ！」

この反応は本当だと察したAが内心安堵しながらも冷たく反応すると、綱吉が「何を怒ってるの？」と言う。その言葉が火に油を注いでいるとも知らず、彼は「俺が京子ちゃんと一緒にいたから？」と続けた。

「Aは知らないだろうけど、京子ちゃんはAのためにずっと前から……」
「京子のことばかりだね、綱吉」

知ってるよそんなこと、と考えながらAは起き上がる。

遠くからずっと2人を見てきたのだ。京子の魅力も綱吉の優しさも全て理解している。Aは泣きそうな顔を隠しもせず、ベッドの上の綱吉を見上げた。