【REBORN】最高の幸せ 5【沢田綱吉】 (ページ19)

今日:35 hit、昨日:21 hit、合計:9,828 hit

219．何を後悔したんだ？ページ19

「重すぎる……」

一方その頃、綱吉は飲み物の買い出しに出ていた。スーパーの袋いっぱいに入った2リットルのペットボトルを見て大きなため息をつく。

何故、彼がこんなことをしているのか。今思えば、奈々の指示で手が空いている綱吉が必然的に買い出しに行くことになったのだろう。しかし、A用のプリンを購入するために外出の口実が必要だった綱吉は、その役目を買って出たのだ。

「事前に準備してないからだぞ」
「用意してたジュース飲んだのお前達だからな！」

今日のパーティーが楽しみで、早すぎるくらい前もって用意していた飲み物は、昨日のうちに全てリボーンやビアンキ、ランボ達の胃に流し込まれていた。

ったく、とぶつぶつ文句を垂れ流していると「綱吉喉乾いたぁ」とAのコスプレをしたリボーンが近くの塀の上に座り込む。

「なっ、その格好Aに似てないって前も言ったじゃないか！大体、手伝いもしてないのに喉が乾くなんておかしいだろ？ひとつ持てよ」
「忘れたか？ママンはツナに買い出しを頼んだんだ。俺は付き添い」
「お前な…………」

これでは話にならないと綱吉が諦めて荷物を運んでいると、やけに真剣な顔をしたリボーンが「Aにプレゼントは用意したのか？」と問いかけた。

「……してるけど、リボーンには関係ないだろ」
「関係大アリだぞ」
「はあ？」

リボーンの発言に立ち止まった綱吉が怪訝な顔をすると、彼ははっきりと「お前、Aのこと好きだろ」と言った。「は！？何でいきなりそんなこと……」と狼狽える綱吉は、リボーンが恋愛感情の有無を訊いていることに気付いたらしい。

「前も言ったけどAはただの幼馴染だって。大体京子ちゃんに告白できたんだから、俺の好きな人は京子ちゃんに決まってるだろ」

最後の言葉はゴニョゴニョと濁らせながらも呟いた綱吉に、リボーンは「だからお前はダメなんだ」と言う。急にダメ出しされた、とショックを受ける綱吉に「死ぬ気弾の特性は覚えているか？」と続ける。

「あれだろ？死ぬ前に後悔してたら生き返るってやつだろ？」

『何回お前に撃たれたことか……』と綱吉がしみじみと回想していると、リボーンは「そうだ」と呟き、ピョンッと塀から飛び降りて綱吉の目の前に立った。

「お前は死ぬ直前、何を後悔したんだ？」

何を今更、と思った。なぜなら綱吉は、京子に告白するために生き返ったのだから。なのにどうして、こんなにも胸が騒ぐのだろう。