【REBORN】最高の幸せ 5【沢田綱吉】 (ページ18)

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218．迎えに来たページ18

クリスマス当日。Aは京子達に招待されたクリスマスパーティーに参加するための準備をしていた。

「今日だけ、だから」

玄関の姿見に向かって自分に言い聞かせるように呟く。2人に誘われたことが嬉しかったのも事実だった。行っても行かなくても後悔するのだから、と何度も自分を正当化させているうちに当日になってしまった。

コーデュロイのミニワンピースを無意識に選んでいた時点で、綱吉への気持ちはまだ消えていないというのに。

ブーツを履き終え、自身の緩く巻かれた髪のカールを整えているとインターホンの音が響き渡る。ガチャッと扉を開けて訪問者を確認すると、そこには髪を結わえサングラスをかけた隼人が立っていた。

「あれ、隼人？」
「迎えに来た」
「……頼んでないけど」
「いいだろ別に」

準備万端だったこともあり、ブーツの音をカツカツと鳴らして外に出る。鍵をかけ隼人の隣に向かったAは、彼が頬が染まった顔を逸らしていることには気付かなかった。

「今日は雨が降るらしいぜ」
「そうなの？こんなに晴れてるのに」
「仕方ねーから帰りは俺の傘に入れてやるよ」
「ありがとう」

そんな会話をしながら沢田家に入ると、既に集まっていたメンバーもいたようで、庭で遊んでいたランボ達が「Aだもんね！」と声をあげ彼等の視線を集める。

「Aちゃんに獄寺君、いらっしゃい！」と縁側から顔を覗かせる奈々に手を振ると、その奥にご馳走が並んでいることに気がついた。

「奈々さん、ごめん！もっと早く来たら手伝えたのに」
「いいのよ！それよりその服似合ってるわね」

Aの姿を見て目を輝かせ「ツナが好きそう」と口元に手を当てて笑った奈々。「……そうかな」と笑ったAに、彼女は家の中に入るよう伝えて部屋の奥に消えていった。

「べろべろばあ！」
「んだとコラ、アホ牛！」
「ハハッ転けんなよー」

家に入る前に庭を覗くと綱吉を除く男子達が盛り上がっていたため、Aは声をかけずキッチンに向かう。そして「A！」と声をかけられ目を見開くとせっせと動き回る京子やハル達が駆け寄ってくる所だった。

「準備は私達がするからAはゆっくり座ってて！」
「えぇ、悪いから私もするよ」
「いいのいいの！」

やけに笑顔の京子に背中を押されてリビングに連れていかれる。何か裏があるのではないかと勘繰りそうになるも、彼女達の善意を素直に受け入れたAは大人しく座り庭を眺めて過ごした。