【REBORN】最高の幸せ 5【沢田綱吉】 (ページ17)

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217．喜んでくれるかなぁページ17

綱吉は、休みの間に死ぬ気弾を受けて京子に告白めいた行動をとってしまったことを思い出していた。今まで通りに接してくれたのは嬉しいけど、なんだか複雑な気持ちになるような……。そう考えながらも1人で帰り道を急いだ。

「……確か、ここに」

家についてすぐに自室に向かい、目的のものを探す。引き出しから0点のテストを取り出し底に手を伸ばすと、カツンと指先に何かが当たった感覚がした。

「あった！」

持ち上げると数種類のプリンの写真や店の名前が書かれたリーフレットがあった。＿＿それは以前、Aが美味しいと喜んでいた店舗のもの。

今朝、駆け寄ってきた京子に見せられた鞄の中身は“Aお誕生日おめでとう”と書かれた手作りのアルバムだった。今月に入って、2人は本人へのサプライズでAの誕生日パーティーを計画していたのだ。

「これ、喜んでくれるかなぁ」

隣町の高級プリン専門店のリーフレットを片手に回想に耽る。＿＿京子が誕生日パーティーの話を持ちかけてきたのは、未来から帰って来たばかりの頃だった。

Aの誕生日を今年になって初めて知ったという京子は、去年祝えなかったことが悔しいから今年は盛大に祝いたいのだと綱吉に相談していたのだ。誕生日を秘密にしているところはAらしくて笑ってしまう。

自身も去年はプレゼントを用意する暇もなくて口頭で祝っただけだったと思いだし、綱吉は自ら沢田家での誕生会を提案した。彼女の誕生日はクリスマスの翌日。当日だと悟られるかもしれないとパーティーはクリスマスに決まった。

「当日はAも来てくれるみたいだし、プレゼントもこの間買いにいったし……」

ベッドの下に隠してあるプレゼントを一瞥して独り言を呟く。早く彼女に渡したくて仕方がないというのに、Aと顔を合わせるのはとても気まずい。

特に大きな喧嘩をしたわけではないが、相変わらず2人はギクシャクしていた。未来での出来事が一番大きな原因だろう。暫くは落ち着いていたのに、どうしてこうも上手く行かないのか。

綱吉は、散々“幼馴染離れ”について悩んだが、結局今までみたいにただ彼女のそばにいたいという思いは消えなかった。

「これで仲直りできたらいいけど……」

クリスマスまであと1週間もない。例の高級プリンは冷蔵庫に入れるとランボ達に食べられる恐れがある。『他の人には見つからないように買うタイミングを考えないと』と考えながら綱吉は小さくため息をついた。