【REBORN】最高の幸せ 5【沢田綱吉】 (ページ13)

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213．どうしたの？京子ちゃんページ13

「ただ者じゃないって感じ！」

Aや炎真がどんな状況なのか知る由もない綱吉は、以前と同じ台詞で京子に笑いかけられていた。

それから、事故のショック＿＿ではなく綱吉に助けてもらった喜びで気絶しかけているハルに綱吉が呆れた視線を向けていると、京子が背後を気にして何度もキョロキョロと辺りを見回していることに気付く。

「どうしたの？京子ちゃん」
「……ここ、Aが通ったりしなかった？」
「A？」

どうして彼女の名前が出てくるのか、と目を丸くさせた綱吉が京子に理由を訊くと、彼女は自身が向かっていたはずの方向を指さして不思議そうな顔をした。

「さっき、Aを見かけた気がしたんだけど」
「…………えっ」
「でもここを通ってないってことは、私の見間違いだったのかもしれないね」

「ハルちゃん達と公園に行く前にAも誘いたいなって、ちょうど考えてたから幻でも見ちゃったのかなぁ」と少し寂しそうに京子は笑った。綱吉は軽く動揺しながらも、彼女と同じ方向に目線を向けて問いかける。

「……A、あっちにいたの？」
「うん、気のせいかもしれないけど……」
「全然！大丈夫だよ！」

綱吉が京子を安心させるように「でもこっちに来てないなら何かあったのかもしれないし、後で探してみるよ」と笑いかけると「ツナ君、優しいんだね」と京子は微笑んだ。

「じゃあ、お母さんにおつかい頼まれてるから、買い物に行ってくるね」と手を振って離れていった京子に綱吉が「ばいばい」と慌てて声をかけると、何かを思い出したように京子は綱吉のもとに戻ってきた。

「ツナ君、さっきのこと思い出したの！」
「さっき？」
「A、古里君と一緒にいたみたいだから心配しなくても大丈夫だと思うよ」

古里君がいるなら何かあっても安心だもんね、と笑った京子は今度こそというように去っていく。

綱吉は炎真がAと一緒にいたかもしれないという可能性に戸惑いが隠せなかった。

今日は休日なのに、どうして炎真と一緒にいるんだろう。2人で遊ぶ予定だったのかな。転入してくる前から彼女とは仲良いって炎真も言ってたし、休みの日も会うのは普通か。だけど、なんと言うか、こう……。

「＿＿＿＿いいなぁ」

思わず口に出した言葉に我に返った綱吉は慌てて口を押さえる。その瞬間、自分が下着姿だと気付いた綱吉は先程とは別の意味で口を押さえて「俺、ずっとこれで京子ちゃんと話を……」と顔を青くさせたのだった。