【REBORN】最高の幸せ 5【沢田綱吉】 (ページ1)

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201．告白したらいいじゃんページ1

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中学一年の春のこと。綱吉にゲームに誘われ、沢田家で二人で遊んでいたとき、妙にそわそわしている彼には気付いていたものの、Aは敢えて声をかけなかった。

常に綱吉の考えを察して行動していたAにとって、彼の考えていることが手に取るようにわかってしまったから。

「京子ちゃんって、彼氏とかいるのかな」

ついに言われたと思った。少し遅かったくらいだ。頬を赤らめているというのに、ゲーム画面に視線を向けたまま照れ隠しをしている綱吉を一瞥したAは、コントローラーを操作していた指先を止めてしまう。

「知らないけど、……どうして？」と嫉妬心や焦燥感を抑えながら問うと、彼は「京子ちゃんって、可愛いなって思って」と呟いた。

「……綱吉、京子と仲良かったっけ？」
「いやいや、全然！ちょっと話してみたいなぁとは思うけど」

入学してすぐに仲良くなった京子。誰からも愛されるような可愛い彼女と、自分が片思いしている綱吉に仲良くなってほしくなくて、彼が京子のことを見ていたと知っていたはずなのに、一度も紹介したことはなかった。

「……話しかければいいんじゃない？京子優しいよ」
「そ、そんな！俺なんか相手にされないよ！なんてったって京子ちゃんは、本当に可愛くて、並中のマドンナで」

嫌だ、聞きたくない。無理して笑顔を保っているつもりなのに、自分の醜い嫉妬の感情で心が冷えきっていくのを感じる。

「それに俺には、Aが……」
「好きなら、告白したらいいじゃん」

天の邪鬼でなかなか素直になれないAが、京子ではなく自分のことを好きになってほしいと言えるはずもなかった。綱吉の口から彼女の話題が何度も出てくることに耐えられず、ゴニョゴニョと何かを話す彼の言葉を遮り余計なことを言ってしまう。

「え？」と言った綱吉の声に我に返り、Aは慌てて「好きなら好きって、ちゃんと相手に伝えないとダメだよ」と笑いかけた。

「俺は別にそんな……」

嘘つき。彼は、京子のことが好きだと私にバレてるとも知らずに必死に気持ちを隠している。遠回しに好きな子の情報を聞いてくる彼に苛立つ自分が嫌で、Aは強がるように正反対の気持ちを口にした。

「綱吉と京子、お似合いかもね」
「だから、そんなつもりじゃないって言ってるだろ？」
「大丈夫。ちゃんと応援してるって」

そう、大丈夫。だって綱吉は、京子に告白する勇気なんてないのだから。

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