【REBORN】最高の幸せ 3【沢田綱吉】 (ページ1)

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101．うそ……急にどうして？ページ1

「……話って」
「俺……」

真剣な表情で見つめられ、思わず動きを止めてしまう。ドキドキと未だかつてないほどの鼓動の音が自分の中で響き渡る。振られるのかな。だけど、今の綱吉の表情からはそんな雰囲気はなく、むしろ……。

「お疲れさまです10代目！」
「っ、ご、獄寺君とお兄さ……ゲッ」

私達の空気を遮るように響き渡った隼人の声。我に返った私達がバッと勢いよく離れると「！……Aもいたのか」と爆発でも被ったのか黒焦げになった隼人と了平さんが現れた。

「どっどーしたのその顔！」「アホ牛がボンゴレ匣を開けまして……」そんなコソコソと話す会話が聞こえてきて、ふと京子の言葉が頭を過った。

“それにしても、幼馴染のユキナでも教えてもらってなかったんだね”。その言葉は確かに的を得ていた。今も目の前で私に聞かれないように内緒話をしているのだから。

「……私、そろそろ戻るよ」
「おい、A！……ぁ」

隼人に声をかけられて顔をあげると、彼の視線の先でもある私の背後に誰かがいることがわかった。誰だろう、と思った瞬間「あの……お話があるんですが」と聞き覚えのある声がその場に響き渡る。

振り返るとそこには、思い詰めたような表情を浮かべる京子とハルちゃん、その背後に壁に背を預けたビアンキさんがいた。

「よっお疲れ」と笑顔で声をかける山本や「ハルどうしたんだ？」と不思議そうに首を傾げる綱吉が「京子ちゃんも一緒……？」と呟いているのが聞こえて歯を食い縛る。

「誤魔化しても仕方ないので単刀直入に言います。ハル達にもミルフィオーレやビャクランのこと……今起きていることをもっと詳しく教えてください！」

彼女の発言に、その場にいる男性陣の顔色が変化したのは明白だった。そっと近くにいる綱吉の表情を見ると青ざめていて「ちょ……な、ななな何言ってんの？ミ、ミルフィオーレ？なんだそれ」と無理したように彼は早口で続ける。

急に言われたら戸惑うのも無理はないよね、と共感してしまい思わず俯く。綱吉達が未来で起きている事情を隠していることに気づいていることや、誤魔化されるのはもう嫌なのだと伝えるハルちゃん。

「ハル達も皆さんと一緒に生活している以上、真実を知る権利はあります！」
「うそ……急にどうして？」

呆然と呟いた綱吉は突然怖い顔をして「ビアンキ！」と声を荒らげる。そんな彼に彼女は「この子達が自分達の意思と力でつきとめたのよ」と無表情で告げた。