ヨコハマ ギャングスタア パラダヰス…其ノ肆 ページ18
彼らが探偵社に戻ると、そこにはパンツスーツを着こなした女性が待っていた。
上質な革張りの椅子にちょこんと腰掛けているのに対し、谷崎の周囲には、興味本位か、先程のメンバーが丸っと野次馬と化して存在していた。よって、妙に圧力がある。
「ええっと…、調査のご依頼と伺っておりますが、一体どのようなご用件でしょうか？」
しかし、先輩方を邪険に扱えず、気を取り直して質問を始める谷崎であるが――、
「美しい…！睡蓮の花の如き儚く、そして可憐なお嬢さんだ」
「へっ！？」
いつの間にか、依頼人の前に膝をついて口説く太宰と、それに驚き素っ頓狂な声を上げる彼女。
無駄に顔の良い男なのだから、驚くのも無理はない。
そんな太宰の背後に、般若のような国木田がひっそりと佇み…、
「どうか私と、心中してはくれない――っ！？」
彼は太宰の後頭部をパァンッ！と殴りつけ、問答無用で物置部屋へと速やかに連行した。
そして、慣れたように谷崎が謝罪を述べる。
一方で、一連の行為に騒ぎ立てそうな上条は、不思議なくらい静かだ。
茶屋での喧嘩に拗ねている訳でもなく、獣が息を潜めているような。顔が整っているだけあって、その様はある意味異常だ。
隣で話を聞いている敦は、チラチラとそちらの方も気にしていた。
「それで依頼のお話なのですが…」
シュールな光景を無かったこととみなし、依頼人は話を戻す。
「実は我が社のビルチングの裏手に、最近良からぬ輩が屯しているようなのです」
「良からぬ輩、というのは？」
話によれば、襤褸を纏い、異国語を話す者達だという。
『…密輸業者だな。軍警がいくら取り締まっても絶えないから』
「上条さん？」
珍しく、話に入ってきた上条。
驚きで谷崎が思わず名を口にした。
『軍警に掛け合えるような証拠を、俺たちで手に入れて欲しい。要はそういう依頼なんでしょ？』
「ええ…、まあ」
制裁を終えて部屋に戻って来た国木田は、その言葉を聞き思わず尋ねる。
「上条、お前真逆行く気か？」
『当然』
最近、仕事が無いからなのか。
やる気なのは結構だが、些か動機が不純だ。
「はあ……、仕方が無い。小僧、谷崎、お前らも行ってこい」
「えぇっ！？」
「兄様が行くならナオミも行きますわー！」
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桐宮 - こういう主人公大好きだねぇ。可愛い…。 (2017年1月4日 20時) (
レス) id: a7d473c89c (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - ( ﾟдﾟ)ﾊｯ! ご指摘ありがとうございます。頑張りますね (2016年11月28日 18時) (レス) id: f3c5c75437 (このIDを非表示/違反報告)
お人形 - 羅生門ですよ。 面白いです。更新頑張ってください。 (2016年11月28日 18時) (レス) id: 880e38e28c (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 夏柴さん» 感想ありがとうございます！ご指摘の点は、後で公開する異能力の情報で納得していただけるかと…。これからも楽しんで頂けたら嬉しいです (2016年11月27日 18時) (レス) id: f3c5c75437 (このIDを非表示/違反報告)
夏柴(プロフ) - 面白いです！…………余計かもしれませんが脳細胞は再生できなくてしても記憶が無くなってるそうです。すいません…………変なこと書いて (2016年11月27日 17時) (レス) id: f84fce7cc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔夜 | 作成日時：2016年11月19日 19時
