元ミカグラ学園生徒、現ミカグラ学園講師達【ビミィ】

徹底研究書　3P ページ5

クルミSIDE





本物のバカ＿＿じゃない。
一宮エルナの試験が終わり、今は夕空の下を走るバカを見送っている。


「お疲れ様」

「本当に疲れたりゅい。
…ところでクルミ」


私の隣にいる、この猫だか犬だか分からない微妙な獣＿＿凰生翔、もといビミィは問う。
大方予想はついているけれど。


「その…Aは元気かりゅい？」


ほら、やっぱり。
昔からコイツらは変わらない。


「健康という面ではね。
ある意味不健康ではあるけれど。
屋敷に混もってお嬢様相手に授業したり。
…まだ”アレ”をやっていたり」

「そうりゅいか…」

「心配なら会いに行けばいいじゃないの」

「どうせ居留守決め込まれるりゅい。
…それに、
＿＿この姿じゃ大爆笑されて終わるりゅい」


ごもっとも。


「いいじゃない。
アイツも元気になるわ」


こちらとしても笑えるし。
今だってギリギリ笑いを堪えられているのだ。


「何か無茶苦茶嫌な感じがするりゅい…」

「気のせいよ。
あ、そうそう。
学園長からのお知らせよ。
『Aには、絶対に会えるだろう』って」

「どういう事だりゅい？」

「さぁね。
すぐに分かるわよ。
嫌でもね」

「…クルミが言うなら、間違いないりゅいね」


また来るりゅいと言い、ビミィも帰っていく。
いつか、戻れるのだろうか。
昔の様な、バカ騒ぎの中に。

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