6日目 ページ17
「…んー？」
何度かノックするも、扉が開く気配はない。しんと静まり返った廊下でキバナは首を傾げた。
委員会が用意した社宅のようなものがある。ナックルシティにはジムトレーナーたちとキバナ、そしてAのために部屋が用意されていた。ポケモンを出しても問題ないように広めに設計された部屋の居心地は悪くない。ポケモンが鳴いたりしても隣の部屋にはあまり聞こえず、壁の防音性もばっちりだ。
さて冒頭に戻ろう。
キバナはAの部屋の前にいた。理由はナックルシティカフェのモーニングを食べに行こうと彼がAに予定を取り付けたからだ。
扉のプレートに掘られた名前は彼女のものであるから部屋を間違えたりしているはずがない。基本的に早寝早起きである彼女が珍しく寝坊でもしているのだろうか、とキバナは事前に渡された合鍵で扉を開けた。
「おーい、ねぼすけかー？」
もしかしたらノックが聞こえていなかったかもしれない。手持ちのポケモンとのお話に夢中になっていることが度々あるので念の為、扉から顔を出す形で呼びかける。…が、ポケモン達の話し声も彼女の話し声も聞こえないことから完全に寝坊しているな、とキバナは苦笑した。
靴を脱いで畳にあがりさて寝室は、と思ったらなにやら布の塊がある。しかもその布からはみ出た巨体は黄色と白。あの色は彼女のパートナーであるりゅーちゃんとちるぴ、だったはずだ。ちなみにちるぴはチルタリスのことである。
きっと彼女はその間に挟まって眠っているのだろう。中々にレアな光景なので投稿せずとも残しておきたいなんて考えてしまったキバナはカメラを3人に向ける。
ーパシャリ
「ぎゅおっ！？」
「ぴるるっ！？」
「ｱｯ」
カメラの音で起こしてしまったらしい2体が飛び起きてこちらを威嚇し、その間でもそりと小さいのが起き上がった。ちなみに2体は相手がキバナだと気がつくとなぁんだ、とでもいうように座り込んでいる。
「よう、おねぼうさん」
『……んー…？』
見えたのは、ネイビーとオレンジと、薄い肌色。髪が肩に散らばって、ほんの少しだけ肌面積を狭めたが、それでも。
『……キッキキキキキバナさん！？りゅ、りゅーちゃ、ちるぴ、か、かく、隠して！！私！！』
「ぎゃぅっ」
「ぴるるーっ」
「す、すま、すまない！！」
布団から出てきたのは、下着姿のAであった。
(続く)
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pandora(プロフ) - レインさん» コメント応援共にありがとうございます！ちょっと私の趣味でちまちま入れます…へへ…… (2019年12月26日 1時) (
レス) id: ee0d8bcccc (このIDを非表示/違反報告)
レイン - ものすごいキュンキャンしました！ ときどきエッrrrrロい場面があって余計、なんか、こう、なりました！ ←語彙力は旅に出掛けました。作者様が書くキバナさんが大好きです！ おもしろいです！！がんばってください！ (2019年12月25日 23時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
pandora(プロフ) - らいさん» コメントありがとうございます！全年齢向けなので難しいですが…この作品が完結したあとに作るかもしれないやつが……あるかも…しれませんよ…？ (2019年12月7日 10時) (レス) id: ee0d8bcccc (このIDを非表示/違反報告)
らい - 合鍵！！？？これはもう続きがたのしみです！！ないけど、多分ないけど襲う雰囲気がほしい´∀` (2019年12月7日 0時) (レス) id: 5bd8ec40a6 (このIDを非表示/違反報告)
pandora(プロフ) - てあさん» コメントありがとうございます！お言葉とても嬉しいです、最近は更新がかなり、かなり遅れていますがもっと好いていただけるよう努力します！ (2019年12月6日 11時) (レス) id: ee0d8bcccc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Pandora | 作成日時：2019年11月18日 23時
