続5日目 ページ15
「…？」
『いかりまんじゅうっていうジョウトのスイーツです。良かったらどうぞ』
「あぁ、ありがとな…その緑のやつは」
『緑茶っていうんです。キバナさんには紅茶をご用意しましたけど…』
「ひと口いいか？」
『どうぞ』
ロトムに配信開始の合図を告げながらキバナは器に口をつけた。緑茶なるものはほんのり苦く、だが不味くはない。口の中のそれの味を確認しながら器をAに返した。
『どうです？』
「変わった味だな、なんというか…草？」
『慣れたら美味しいですよ』
Aは器を受け取るとそのまま緑茶を啜る。いつも通りの優しい味にほっこりと目元を緩ませた。そうだ、緑茶を飲んだのならと皿に乗った菓子を取ってキバナの口元に運びにこりと微笑んだ。
『これ、緑茶と食べると合うんですよ。1口どうぞ』
「う、ん？ん、おう、」
急に、所謂「あーん」をされて動揺しつつ差し出されたそれを口に含む。しっとりとした生地と甘みの抑えられた、ねっとりとする何かが緑茶の苦味とよく合った。何度か咀嚼して飲み込むと嬉しそうにAがはにかんだ。
『ふふ、美味しいでしょ？私の好物なんですよ』
「へぇ…どこで売って…いや、あとで一緒に買いに行くか。切れてたりするだろ？」
『え、なんでわかったんですか』
「キッチンの方で『あっ…ラストだ…』て聞こえたから」
『地獄耳ですね。まぁそうですけど、いいんですか？』
「おう、これ終わったら行こうぜ」
『はい！』
Aはいつも使う会議用のノートを取り出すとキバナと話しながら内容を書き取っていく。時たま、手持ちを交換してやってみるだとか、ジュラルドンがじゅらちゃんと呼ばれると嬉しそうにするだとか、思いついたことを言い合いながら会議は進んでいく。
一旦互いのカップが空になりAは淹れなおしに言った際にキバナは配信に届いたコメントをふと見てみた。するとなにやらコメント欄がざわついておりそれを確認すると。
＿互いにチラチラ見ちゃってて可愛い！
＿さっき緑茶飲んだ時Aちゃん顔真っ赤だった！
＿互いが互いを見る顔が完全にカップルのそれ。
等のコメントがちらほらと確認できる。キバナは慌ててAが向かったキッチンに目を向ける。こっちを見てた？待て、俺も？全く無意識だった…と考えていると戻ってきたAと目が合う。すると、彼女は照れたようにはにかみ、テーブルに盆を置くとコメント欄を確認しにちょこんと隣に座った。
(続く)
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pandora(プロフ) - レインさん» コメント応援共にありがとうございます！ちょっと私の趣味でちまちま入れます…へへ…… (2019年12月26日 1時) (
レス) id: ee0d8bcccc (このIDを非表示/違反報告)
レイン - ものすごいキュンキャンしました！ ときどきエッrrrrロい場面があって余計、なんか、こう、なりました！ ←語彙力は旅に出掛けました。作者様が書くキバナさんが大好きです！ おもしろいです！！がんばってください！ (2019年12月25日 23時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
pandora(プロフ) - らいさん» コメントありがとうございます！全年齢向けなので難しいですが…この作品が完結したあとに作るかもしれないやつが……あるかも…しれませんよ…？ (2019年12月7日 10時) (レス) id: ee0d8bcccc (このIDを非表示/違反報告)
らい - 合鍵！！？？これはもう続きがたのしみです！！ないけど、多分ないけど襲う雰囲気がほしい´∀` (2019年12月7日 0時) (レス) id: 5bd8ec40a6 (このIDを非表示/違反報告)
pandora(プロフ) - てあさん» コメントありがとうございます！お言葉とても嬉しいです、最近は更新がかなり、かなり遅れていますがもっと好いていただけるよう努力します！ (2019年12月6日 11時) (レス) id: ee0d8bcccc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Pandora | 作成日時：2019年11月18日 23時
