待てども消えない ページ7
「こんにちは、ジョージ！」
ある朝突然、ハーマイオニーが訪ねてきた。
「おっ、久しぶりだな。とりあえず入るか？ 今ちょうどレイが朝食作ってるから食べていけよ」
「あらいいの？ 嬉しいわ」
ダイニングへ案内されながら、ハーマイオニーはキョロキョロと家の中を見渡す。
「どうしたんだ？」
「ロンが家出中だから、ここかしらと思って……」
「うーん、最近は来てないけどな」
「そう……まぁ、Aの手作りが食べられるんだからロンに感謝よね」
ダイニングの扉を開けると、ふわりと食欲を刺激する匂いがした。
「あ、ハーマイオニー！ 久しぶり……かな？」
エプロン姿で振り返り、笑みを浮かべるA。
えーとこれはなんて言うんだっけ……あぁ、あれだ、ぐうかわ。
手伝おうとするハーマイオニーには、客人だからと待ってもらい、間も無く朝食の準備は完了した。
「ふふ、Aの手作りは久しぶりだから嬉しいわ」
「そうだった？ もっと食べに来てくれていいのに」
「２人でイチャイチャする時間も必要でしょ？」
「えっ」
「ハーマイオニー、よく分かってるな」
「ジョージも冗談はいいから」
学生時代も仲の良かった２人は和やかに朝食を楽しんでいた。
いつもと違う座り方なため、俺も新鮮な気分を楽しんでいた。
しかし、
「──あれ、フレッド？ その耳の傷は？」
ぴしり、と空気が固まった。
「──俺はフレッドじゃない」
平静を装ってそう返すと、Aは大きく動揺した。
「わ、わたし、今、何て言った？ フレッドとジョージを間違ったの？」
狼狽する彼女の背をハーマイオニーが優しく撫でる。
「その耳の傷はなんなんだろう、って思って……フレッド？ ジョー、ジ？」
何かに怯えるAは気の毒で、でもどうしようもない俺とハーマイオニーは混乱が収まるのをただ待つしかなかった。
──忘れていたくても存在を主張してくるあの"呪い"が、圧力を伴って体にのしかかってくるようだった。
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ぱんだ(プロフ) - しぇるふぃあ。さん» しぇるふぃあ。ちゃんお久しぶりです！ ハリーが悪くないとはわかってても、もう少し彼が早ければ……なんて思ってしまう人も居ると思うの……。素敵な感想をありがとう。すごく胸に染みます……。こちらこそよ！ お付き合いありがとうございました〜……！！！ (2018年5月12日 19時) (
レス) id: a4436e9ee1 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - 完結ありがとう！せつなくて…うぁ…あたたかいけどつめたい涙の味がします（意味不）大好き。やわらかくて綺麗でうす暗くて、寝る前に良いものを見られたと思います…。執筆おつかれさまでした！！大好き（2回目） (2018年5月11日 22時) (レス) id: 2fca820d76 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんだ(プロフ) - 皐月さん» 涙が…どうぞハンカチで拭いてください。双子は本当に良いキャラしていますよね。文章が綺麗と言っていただけて嬉しいです…！更新頑張りますね！コメントありがとうございました(*´∇｀*) (2017年4月9日 18時) (レス) id: 06712e903e (このIDを非表示/違反報告)
皐月(プロフ) - 続きが気になります！！ぱんださんの文章は読みやすくて、とっても憧れます！！双子大好きなので、この作品見つけたとき涙出ました。。更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (2017年4月9日 18時) (レス) id: f0f433f416 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱんだ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/panda513261/
作成日時：2016年12月25日 0時
