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夕暮れフリータイム3 地球人の彼 ページ36

少年「夕日に照らされた感じ、素敵じゃん!!」

少年は、意味の分からないことを言う。
恥ずかしくなるから止めてほしい…
でも、正直…とっても嬉しかった。

ルミ「うっ…るさいぃ…」

少年「…っ」

少年が何か、声を出そうとした瞬間、城の護衛班に見つかってしまった。

護衛「ルミ姫様!?」

少年「ヤバ…ッ!?」

ルミ「どっ…どうするの…!?」

少年「…こっち!!」

少年がむかった先は、塀だった。

ルミ「…っ!」

少年は、私を抱える。

少年「しっかり掴まってて…ッ!!」

思い切り地面を踏みしめ、塀に手をつき、勢いのまま、城の反対側の地面に近づく。

ルミ「…ッ!?」

次の瞬間、重力が体にのしかかった。
それにしても…この塀をどうやって乗り越えられたのだろう…少なくとも、三メートルはあるのに…

少年「いっ…てぇ!!足やっちゃったぁあ…!!」

ルミ「大丈夫…!?」

少年「だっ…いじょう…ぶ…だと思う…ッ」

そうこうしている間に、護衛の足音が聞こえてきた。

少年「よし…!!行こう!!ルミ!」

再び抱えられる。
そのまま真っ直ぐに走り、小さな用水路を飛び越え、茂みをかき分け、薄暗い森林の中に入った。

少年「はぁ…はぁ…っ…ここまで来れば…大丈…夫…だろ…っ」

ルミ「うっ…うん……」

少年は、擦り傷だらけになっていた。
足も小刻みに震えている…
これも…全部、我がままな私なんかの為に…

少年「あ……、そういえば…まだ俺の名前……言ってなかったね…っ」

途切れ途切れの声でそう言う。
少年は、息を整えて、自分の名前を言った。

少年「オレは小出風季…!地球生まれ、火星育ちなんだ!」

…地球人…?
確か…地球人って……
お父さんには、危険な人達って…聞いたことがある。
で…も…この人が、危険な人ってこと……ないよね…。絶対…

風季「……ルミ?」

ルミ「…あっ…地球人って聞いて、ちょっと驚いただけ……」

風季「…そっか……火星人にとって俺らは敵なんだもんね…驚いて…当然か…はは……ルミに出会えて良かったよ…!もう少し一緒に居たかったな…なんて…ね……」

嫌…
もうお別れなんて嫌だ。
いくら地球人であっても…どんな人だとしても…この人は、私をあの生活から救おうとしてくれた…恩人なんだ。
離れたく…ない。
この人が傍から居なくなったら…私の居場所だって…どこにも無くなってしまう…

ルミ「…待って…ッ!!…嫌だよ!……離れたく…ない…よ…っ」

私の目からはまた、涙が滲んできた。

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設定タグ:オリジナル , 青春 , 革命マーズクラブ   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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ぱむもん(プロフ) - 詐欺(ペテン)師 黒猫さん» はぁぁぁぁあっ…女神だぁ!結城!!ありがとう(泣)文才なんてないよ~っでも嬉しい!! (2015年6月9日 19時) (レス) id: b785b4a30f (このIDを非表示/違反報告)
詐欺(ペテン)師 黒猫 - ぱむさんは、文才があってうらやましいです。ぜひ、文才を分けてほしいです。俺のこと、わかりますかね?カゲプロのに居るんですが…。名前をみて分かってくれたら嬉しいです。それでは、二を読んでます。これからも頑張ってくださいね! (2015年6月9日 19時) (レス) id: ab9477a56e (このIDを非表示/違反報告)
氷麗,猫耳(プロフ) - ぱむもんさん» 《*≧∀≦》いえいえ(о^∇^о) (2015年3月30日 22時) (レス) id: 8b1c2f1f5e (このIDを非表示/違反報告)
ぱむもん(プロフ) - 氷麗,猫耳さん» 返事遅れた!ごめんっ、ありがとー!嬉しいよ!(≧∀≦) (2015年3月15日 1時) (レス) id: b785b4a30f (このIDを非表示/違反報告)
氷麗,猫耳(プロフ) - 文才ありありだと思いますよ?更新頑張ってくださいね?笑笑 (2015年2月25日 21時) (レス) id: 8b1c2f1f5e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱむもん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Giocosomus1/  
作成日時:2014年11月27日 17時

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