夕暮れフリータイム2 見知らぬ少年 ページ35
少年「君…?泣いてるの?大丈夫?」
ルミ「なっ…泣いてなんかないもん…っ」
少年は、部屋の中に入る。
…それにしても、どうやってここまで来たのだろう…
窓を覗くと、下の方にはしごのような物があり、上を見ると、ロープが巻き付けてあった。
…この壁を登って、ロープをくくりつけたのだうか…
少年「はい、ハンカチ。泣きたいならいっぱい泣いちゃえ」
ルミ「…っ…!」
途端に涙が流れ出す…
ルミ「うぅ…っ」
少年は、微笑み、私の傍に寄り添った。
少年「…お姫様も大変なんだね」
ルミ「…っうん……もう嫌だ…っここから出たい…っ耐えられない……!」
少年の腕を掴む。
ルミ「……すっ…けて…」
声が震え、あまり上手く言葉にならなかったが、少年に伝わったみたいだった。
少年「…!……ルミ姫、今すぐにあなたを救います…っ」
少年は、大袈裟に、ヒーローっぽくそう答えた。
少年「…ちょっと待ってて!」
そう言うと、少年は窓際に立った。
ロープを吊り上げ、私を呼ぶ。
窓際に行き、ロープを私と少年が離れないよう、しっかりと巻き付けられた。
ルミ「こっ……これでどうするの…」
まさか、ここから降りる?
私は、高いところが苦手だ。こんなところから降りるなんて…恐怖でしかなかった。
少年「壁を伝って降りるんだよ!ロープを使ってさ!」
ルミ「…え…っ」
怖い…そんなの怖すぎる…
無理…
少年「もしかして…高所恐怖ひょう…?あ…っこっ、高所恐怖症…っ?」
ルミ「……うん…」
少年「そっ…そっか…でも、乗り越えた先には自由が待ってる。だから頑張ろう?あっ、下を見ないようにオレに顔をうずめてて。」
…今までの辛い生活から、やっと逃れられる……そんなチャンス、今しかない。
これが最後の試練だと思えば…っ
ルミ「…うんっ」
少年は、にっこりと笑った。
少年「じゃあ…行くよ!」
ロープを掴み、ゆっくりと壁を伝って下り始める。
ルミ「…っ」
私は、下を見ないよう、少年の胸に顔をうずめた。
少年「……後少しだから…っ」
数分で、地面まで到着。
ロープをほどき、少年が私の手を取る。
そして、勢いよく走り出した。
ルミ「…わっ……!?」
私は、あまり走ったことがないため、少しふらついてしまう。
少年「大丈夫?…じゃあもう少しゆっくり走ろうか!」
ルミ「……うんっ…!!」
私は、思い切り笑った。
今まで、こんなに笑顔になれたことなんて…あったかな…
少年「…っ!?…笑顔、可愛いね…!」
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ぱむもん(プロフ) - 詐欺(ペテン)師 黒猫さん» はぁぁぁぁあっ…女神だぁ!結城!!ありがとう(泣)文才なんてないよ~っでも嬉しい!! (2015年6月9日 19時) (レス) id: b785b4a30f (このIDを非表示/違反報告)
詐欺(ペテン)師 黒猫 - ぱむさんは、文才があってうらやましいです。ぜひ、文才を分けてほしいです。俺のこと、わかりますかね?カゲプロのに居るんですが…。名前をみて分かってくれたら嬉しいです。それでは、二を読んでます。これからも頑張ってくださいね! (2015年6月9日 19時) (レス) id: ab9477a56e (このIDを非表示/違反報告)
氷麗,猫耳(プロフ) - ぱむもんさん» 《*≧∀≦》いえいえ(о^∇^о) (2015年3月30日 22時) (レス) id: 8b1c2f1f5e (このIDを非表示/違反報告)
ぱむもん(プロフ) - 氷麗,猫耳さん» 返事遅れた!ごめんっ、ありがとー!嬉しいよ!(≧∀≦) (2015年3月15日 1時) (レス) id: b785b4a30f (このIDを非表示/違反報告)
氷麗,猫耳(プロフ) - 文才ありありだと思いますよ?更新頑張ってくださいね?笑笑 (2015年2月25日 21時) (レス) id: 8b1c2f1f5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱむもん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Giocosomus1/
作成日時:2014年11月27日 17時