殺し屋幹部【WT】 (ページ10)

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はっ、と俺は目を開ける。死後の世界かと思えば、ちゃんと動く人間が目に見える。俺の側の机で何かを書いている。

「おはよう。」

その誰かが俺が起きたのに気がついたのか、声をかけてくる。俺は何も答えず目から冷たい水が流れているのに気がつくと、さりげなく目の当たりを擦りながら身体を起こす。

「有名な殺し屋さんがうちの幹部にやられるとはね。手が落ちたのかい？」

皮肉そうに言うこいつは白い白衣を着て中には和服を着ていた。首には黒いチョーカーがあり、そこから白色で先が黄色になっているふわふわしたものが下がっていた。……何故か情報屋さんに顔が似ている様な気がするのは気のせいだろうか。

「そのまま死なせれば良かったのに。貴方も大変ですね」

「まぁ、慣れてるから」

彼はそう余裕そうな顔を見せる。
俺の鎖骨辺りには包帯が綺麗に巻かれていて、止血もされている様だった。

「そろそろうちの外交官が来るはずなんだけど……遅いね」

彼が言った瞬間この部屋のドアが盛大に壊され、壮大な音を立てながら入ってくる人物がいた。

「なぁ、ここ病室。」

そう言った白衣の人の目はなんだか呆れている様な、笑っている様な。不思議だった。

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ドアを踏みつけながら入ってきたのは外交官と思われた。男だと思っていたが、女性だったとは。その手には銃を持ち、今から戦争にでも行ってきますとでも言いたげな格好であった。あれ、本当に外交官なのか。

『待たせた？ごめんね』

「、どうも」

小さく挨拶を返す。すると外交官は白衣の人に向き直り、腕を組む。

『それはそうとして、こいつ呼ばわりは酷いと思うよ、きりやん』

「お前がドアぶっ壊して入らなければそんな事言わねーよバーカ」

『馬鹿はどっちだよ』

「お前だよ」

目の前で繰り広げられるギャグという名の言い合いに思わず俺は笑ってしまった。それにきりやんと呼ばれた男と外交官は口をつぐむ。

それに気づくと、すいません。気が緩みました。と小さな声で言った。何か、申し訳ない。