殺し屋幹部【WT】 (ページ20)

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あれから半年。俺の部屋も幹部専用部屋に移され、もう毎度のことだが自分のデスクの上に数えきれない枚数の書類が積まれていた。

書類の一番上にあったものの送り主はきりやんで、「これ、2日で終わらせといて」と。半年経った今でも犬猿の仲の様な俺ときりやん。というより、相手からの一方的な敵意というか。

「…それにしても、量えぐいなぁ」

書類を手に取ると、中身はよく分からない戦闘技術や、暗殺術。全てこんな感じならまだ終わりは見えるか、と思った矢先違う種類のものも出てくる。今夜は徹夜になりそうだ…。と嘆いた。

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昨夜の徹夜の末完成したものをきりやんの机に置く。きりやんは何処かへ仕事へ行っている様だったが、まぁこの量なら分かるだろう。

また自分の部屋に戻ろうと扉へ足を進めるとクシャ、と足元で音がした。そこには先程も見た書類の様なものが。

「…なんだろ」

紙を裏返し、文章をスラスラと読んでいく。
そして最後まで読み切った時、俺は全ての意味を理解した。

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「……やっと、A国と戦争するのか。」

片手で紙を捻り潰し、ゴミ箱に投げ入れる。ぐしゃぐしゃになった書類はガタンと音を立て丁度よく入った。

「…そっ、か。」

呟き、扉を開けるとそこには部屋の主が立っていた。用事が終わったのか、きりやんは両手で目がギリギリ見える程の書類を持っていた。そして俺を眉を細めて見ると、要件を尋ねられる。

「………いや、書類終わったから」

そう言ってドアノブに手を掛けると、その手を掴む様にきりやんの手が伸びる。書類は床に置かれていた。

「…なんか漁ったりしてないよな？」

少し間が空き、してないと返せば、へぇ、と返ってくる。きりやんは俺の手を離しデスクに向かって歩き始める。俺も扉を開け廊下に出た。

部屋に戻る途中、丁度仕事が終わった様子のぶるーくと鉢合わせ、息抜きとして、彼によるとそこまで広さはないものの一番休憩しやすい場所という"裏庭"に行くことにした。