(仮) forth (ページ26)

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「あのさ？」

先輩の声にピクッと反応してしまう。でも、自分に話しかけられた訳じゃないと、知らん顔してファイルをペラペラめくり続ける。

「聞いてい？何それ？流行ってんの？」

「ん？コレ？流行っては…ない(笑)」

「え、そーなの？(笑)でも皆持ってんじゃん」

「まぁ、そーね。我々だけだけどね」

「俺のお墨付き…って誰のお墨付きだよ(笑)」

「ん？相葉さん(笑)」

「誰だよ、相葉さんって」

アハハッて豪快に笑う先輩とクフフッて可愛く笑う二宮さん。おそらくってか、絶対タンブラーの話だ。

さっき松本さんが言ってた事を思い出して、先輩をまぁ君のお店に誘うんじゃないかって不安で、松本さんを盗み見る。と、こっちを見ていた松本さんと目が合った。

こういう時気まずいのってなんでだろ…って思いながらも目が離せないのはなんでだろ？

ニヤッと口の端を上げた松本さんが、人差し指を口の前で立てる。そして、全然関係ない話題を先輩に振ってくれた。

事情も知らない松本さん。でも、さっきの私の態度で何かを察してくれたのかもしれない。なんて空気の読める人なんだ。

松本さんに尊敬の念を抱きながら、業務に取り掛かった。