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021:I thoght it was a good day ページ22





治くん、私、頑張るよ。



心の中、彼に呼びかける。

私はきっと、あなたと出会わなければ一生迷子だった。



錆びた音を立てて大きくそびえたつ体育館のドアを開くと、休憩中の部員さんと色めいていたギャラリーの視線が集まる。


開いた瞬間、空気が動いたのが分かった。




___狡い猫の皮をかぶった、化け狐。




鋭く、刺すような視線に射抜かれそうで怖い。



口争いをするお兄ちゃんたちを、銀島先輩と笑いながら見ていた角名先輩と目が合い、手を振られる。
手をそっと振り返すと、角名先輩は腰を上げてこちらへ駆け寄ってきた。





「Aちゃん昨日ぶり。誰かご指名?」



こちらを見下ろす彼の目は、今日も今日とて色っぽいな、と秘かに思う。



「北先輩に、用があって」



本当はここから、逃げてしまいたい。




角名先輩のファンの人の目は私を焦がそうとするし。

お兄ちゃんたちは不思議そうな顔をしているし。

明日の日々に保障をかけられていない毎日だから、足は今にも震えだしそうだ。




けれど、好意で話しかけてくれた角名先輩。

自分の思いを殺して応援してくれようとしている治くん。

たくさん、誰かが誰かを思っていたから、私は今崩れ落ちていないのだ。






角名先輩はどことなく悲しそうな顔をした後、


「北さん、来客ですよ」


いつもの寡黙そうな表情を作った。



「おん、今行くわ」







座っていた彼は、床に手を突き、そう言った。


私の座右の銘は、思い立ったが吉日。


誰にも、震えている手を見せたくなくて、そっと背中に隠した。

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パルム(プロフ) - らさん» コメントありがとうございます!確かにそうだな、と考えなおしました。北さんに二度目の好きを洩らした後のヒロインと北さんの展開はご想像していただけると幸いです。これからもっとその人物に寄りそう素敵な小説が書けるように努めさせていただきます。 (2021年8月9日 19時) (レス) id: 7103dc21f5 (このIDを非表示/違反報告)
- んー、2回もヒロインに告白させるのは北さんぽくないなぁ、、、せめて2回目は北さんからの方が綺麗なお話になっただろうに少し残念です。 (2021年8月9日 9時) (レス) id: c2c5a94e17 (このIDを非表示/違反報告)
パルム(プロフ) - 、さん» 教えてくださってありがとうございます!私自身もともと機械などに疎いのですが、うらつくが好きなので投稿させてもらっている次第でした。自分なりに調べてみて、今は外したことになっています。正直すごく不安なので、教えてくださると幸いです。 (2020年8月16日 6時) (レス) id: 7103dc21f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:パルム | 作成日時:2020年8月16日 0時

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