009:Cinderella and prince ページ10
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「Aちゃん走り込み〜?」
朝六時。
私はかわいくなりたいと決意した日から公園まで走るようにしている。
毎日というのはなかなかきついけれど、
あの時の北先輩の笑顔を思い出して、ここ四日間は続けることができている。
『自分磨き』って、勿論難しいことが多いんだろうけど、
楽しいって感じられないものはマイナスなんじゃないかな、って思う。
色々ときつい要素織り込みだけど、頑張っている自分のことは好きでいられる。
そんな気がする。
今、宮家の前を通り過ぎようとしたとき玄関から治くんが出てきたという次第。
いつもより眠そうに伏せられた瞼の彼の寝ぐせ。
笑いをこらえるのに必死になる。
出木杉くんみたいじゃん。
「うん。治くんはお部活?」
「おん、お部活の朝練やねん。Aちゃん走り込みとか、好きな子でもできたん?」
そう尋ねられたので、
「うん」
隠す必要もないので頷くと、治くんは雷に打たれたように固まった。
「え、え何?どうしたの?」
「これはツムに、いや、あいつはダメやな……銀?熱いな。そうか角名や!」
動かなくなったと思えば、ぶつぶつと呟きだした治くん。
怨霊でも呼び寄せそうな勢い。
もはやツボを超えてこわい。
「お、おう。治くん、朝練遅れないようにね。ばいばい」
私が走り出そうとすると、
「Aちゃん、走り込み頑張り。応援しとるよ」
その声で振り向いたとき、つよい風が吹いた。
そのあとにはもう、彼はこちらを向いていなくて、表情は見えない。
「治くんも!」
そう叫んだ私の声には振り向かない治くん。
片手をポケットに突っ込んでひらひらと手を振る彼は、やっぱり王子様みたいだ。
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パルム(プロフ) - らさん» コメントありがとうございます!確かにそうだな、と考えなおしました。北さんに二度目の好きを洩らした後のヒロインと北さんの展開はご想像していただけると幸いです。これからもっとその人物に寄りそう素敵な小説が書けるように努めさせていただきます。 (2021年8月9日 19時) (レス) id: 7103dc21f5 (このIDを非表示/違反報告)
ら - んー、2回もヒロインに告白させるのは北さんぽくないなぁ、、、せめて2回目は北さんからの方が綺麗なお話になっただろうに少し残念です。 (2021年8月9日 9時) (レス) id: c2c5a94e17 (このIDを非表示/違反報告)
パルム(プロフ) - 、さん» 教えてくださってありがとうございます!私自身もともと機械などに疎いのですが、うらつくが好きなので投稿させてもらっている次第でした。自分なりに調べてみて、今は外したことになっています。正直すごく不安なので、教えてくださると幸いです。 (2020年8月16日 6時) (レス) id: 7103dc21f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パルム | 作成日時:2020年8月16日 0時