Apricot Fizz

35話_イブラヒム※※※ ページ36

※若干詳しい流血表現あります。ご注意ください









イ「なん、だよ……これ」








何度も鳴り響く銃声







敵1「ぐぁ……っ」


敵2「くそ！撤退しろ！」


敵3「だめだ命令は絶対だ」









敵4「た、すけ……」










ﾊﾟﾝｯ










『……』










銃を扱ったことがないはずなのに


寸分の狂いもなく敵の頭や首を撃ち抜いていく








あれは、誰だ










イ「っ……A！！やめろ！！」









振り向いた彼女の瞳は








『…逃がさない』







光を宿していなかった





まるで誰かに操られているように


敵へとまっすぐ歩いていく








敵1「ひぃ…化け物め！」









そう言って銃を敵が構えるのと同時に


Aも引き金に指をかけた











葛「やめろぉ！！」


明「A、ちゃ……」


イ「やめてくれ…」












これ以上


Aに人殺しなんてさせたくない






俺は重たい足を引きずって1歩前に踏み出そうとした











その瞬間











イ「！？」












横をナイフが通り過ぎ




相手の太ももに突き刺さった









敵1「あぁ……！？くそがぁ！誰だ！？」













・










不「誰が、化け物だって？」


敵1「お、おまえ…！」









葛「おせーよ…」










いつもとは違う


黒いワイシャツに身を包んだ不破さんがいた


いつもと違うところはもうひとつ


瞳がギラついていて殺意が溢れていた










不「Aちゃん…？」


『…』












不破さんの声にピクリと反応したA


それでも引き金を離すことはなかった










不「…なるほどねぇ」











状況を察したのか、ゆっくりと彼女に近づいていく














不「俺のAちゃんをこんなにしちゃって。覚悟はできてるよねぇ？」










もはや敵はガタガタと震えるだけで何もできていない










近づき、そして自分の方へとAを向かせた


壊れ物を扱うかのように


優しく、血に染まった頬を撫でて、顎をすくう











明「ふわっち、何して」













次の瞬間










イ「……っ」














『んっ……ぁ』


不「ん、」












深く


深く








口付けをした

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